アメリカ合衆国の大統領選挙が近づくにつれ、日本でもトランプ前大統領に関する報道が増加している。その内容はしばしば批判的な視点を含み、こうした傾向が見られる背景には、米国主要メディアの影響が大きい。
米国メディアは、トランプ氏に対し厳しい姿勢をとることが多く、トランプ氏の政策や発言に対する批判的な論調が日本においても踏襲される傾向にある。
例えば、米国の主要メディアがトランプ氏の発言や政策について批判的な視点を強調すると、日本のメディア(以下、日系メディア)もそれに追随する形で報道を展開しやすい。その結果、トランプ氏の主張や政策の背景を十分に掘り下げるよりも、米国メディアの批判的な視点が日本の報道にも反映され、偏った印象を与えることもある。
また、日系メディアの多くは、トランプ氏の対外政策や発言が日本に及ぼす影響を踏まえた上で報道することが多い。トランプ氏の貿易政策や安全保障に関する発言は、日本の経済や安全保障政策に直接関係するため、その影響が大きい。したがって、こうした発言に対して懸念が強調されることが、日系メディアの報道トーンに反映される要因のひとつと言える。
さらに、日本の各メディアには固有の報道姿勢や編集方針が存在し、それが報道内容にも影響を及ぼしている。特にリベラルな傾向を持つメディアでは、トランプ氏の発言や行動に対する批判が強まる傾向が見られ、トランプ氏に対して好意的な内容が伝えられることは少ない。その一方で、トランプ氏が手掛けた事業や企業活動の実績に対する言及が少ないため、全体として一面的な印象が残ることがある。
トランプ氏は実業家としても成功を収めた経歴を持つ。トランプ氏が父から引き継ぎ、リブランドした「トランプ・オーガナイゼーション」は、不動産開発を中心に様々な事業を展開しており、ニューヨークのトランプタワーなど、象徴的な不動産プロジェクトを手掛けている。また、2021年には「トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ」を設立し、ソーシャルメディア「Truth Social」を展開するなど、独自のメディア戦略を構築している。
こうした実業家としての実績も、トランプ氏が米大統領として政策を打ち出す際の背景を理解する上で重要な要素となる。しかし、日本の報道においては、トランプ氏の事業活動が十分に取り上げられないことが多いため、政治家としての側面が過度に強調されがちである。そのため、トランプ氏に対する日系メディアの報道は、米国の主要メディアの影響や国内の報道方針に左右され、批判的な見方が先行する傾向が強いと指摘されている。 #米国 #アメリカ #大統領選
(編集部 : 柴野、西元、笠間)