ジャパンディスプレイ(JDI)は17日、2025年3月期の通期連結業績予想について、売上高および利益の大幅な下方修正を発表した。スマートウォッチや車載向け需要の低迷に加え、技術収入が予想を下回る見通しとなったことが主因だ。これにより売上高は1800億円に縮小し、親会社株主に帰属する当期純利益は393億円の赤字と、厳しい数値が並ぶ。
項目 | 修正前(2024年5月発表) | 修正後(2024年11月発表) | 増減額(修正後-修正前) | 増減率 |
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売上高(百万円) | 221,800 | 180,000 | -41,800 | -18.8% |
EBITDA(百万円) | △11,700 | △26,400 | -14,700 | - |
営業利益(百万円) | △18,200 | △31,700 | -13,500 | - |
経常利益(百万円) | △24,300 | △36,800 | -12,500 | - |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | △26,600 | △39,300 | -12,700 | - |
1株当たり当期純利益(円) | △4.30 | △6.35 | – | - |
前期実績(2024年3月期) | 売上高 239,153、純利益 △44,313 |
発表によると、当初の売上高見通しから18.8%減少し、その他の利益指標も軒並み悪化。前提為替レートも下期において1ドル=150円へと円安見込みに変更されたが、経営環境の不確実性は依然として高い状況だ。今回の下方修正に関し、ジャパンディスプレイは「関係者の皆様にご迷惑とご心配をお掛けしていることをお詫び申し上げます」と謝罪の意を表明した。
同社は長年、ディスプレイ事業に依存してきたが、この「一本足打法」からの脱却が急務と認識している。本日発表した決算資料では、ディスプレイ専業からの転換として「BEYOND DISPLAY」構想を掲げ、ディスプレイ事業の黒字化とともに、「センサー」「AIデータセンター」「先端半導体パッケージング」分野への本格参入を打ち出した。
ジャパンディスプレイは今後、収益の柱となる事業の多角化を進める方針で、「新生JDI」として株主価値の最大化に向けた改革を断行する構えだ。 #業績 #ビジネス