学友商業日報 – 第284号 <学友商業日報社>
政治・経済
ミタチ産業、業績予想を上方修正 売上高4割増目指す見通し
ミタチ産業株式会社(3321、東証スタンダード・名証プレミア)は22日、2025年5月期の連結業績予想を上方修正すると発表した。今回の発表によれば、売上高は前回予想から約4割増の見通しで、自動車関連顧客の商流移管や、民生向け電子機器受託製造サービス(EMS)事業の順調な受注が業績に寄与すると見込んでいる。
当初予想に対して、2025年5月期第2四半期(2024年6月1日~2024年11月30日)累計では、売上高が3万億円から4万億円に、営業利益は6億円から9億円、経常利益は6億円から10億円、親会社株主に帰属する純利益は4億円から6億円へとそれぞれ上方修正。これに伴い、1株当たりの純利益は50円21銭から75円28銭へと引き上げられた。なお、前期第2四半期実績(2024年5月期)は売上高が2億48百万、営業利益が9億35百万、経常利益が10億24百万、親会社株主に帰属する純利益が7億5百万、1株当たりの純利益が88円60銭だった。
第2四半期累計業績予想(2024年6月1日~2024年11月30日)
項目 | 前回発表予想(A) | 今回修正予想(B) | 増減額(B – A) | 増減率(%) | 前期実績(2024年5月期) |
---|---|---|---|---|---|
売上高(百万円) | 30,000 | 40,000 | 10,000 | 33.3 | 20,048 |
営業利益(百万円) | 600 | 900 | 300 | 50.0 | 935 |
経常利益(百万円) | 600 | 1,000 | 400 | 66.7 | 1,024 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 400 | 600 | 200 | 50.0 | 705 |
1株当たり当期純利益(円・銭) | 50.21 | 75.28 | – | – | 88.60 |
通期業績予想(2024年6月1日~2025年5月31日)
項目 | 前回発表予想(A) | 今回修正予想(B) | 増減額(B – A) | 増減率(%) | 前期実績(2024年5月期) |
---|---|---|---|---|---|
売上高(百万円) | 80,000 | 90,000 | 10,000 | 12.5 | 38,899 |
営業利益(百万円) | 1,800 | 1,900 | 100 | 5.6 | 1,591 |
経常利益(百万円) | 1,800 | 2,100 | 300 | 16.7 | 1,706 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 1,250 | 1,350 | 100 | 8.0 | 1,222 |
1株当たり当期純利益(円・銭) | 156.92 | 169.39 | – | – | 153.52 |
通期予想についても、同社は売上高を8万億円から9万億円に引き上げる見通しで、営業利益は18億円から19億円、経常利益は18億円から21億円、純利益は12億50百万円から13億50百万円にそれぞれ上方修正した。1株当たりの純利益も156円92銭から169円39銭へと引き上げられている。前期通期実績(2024年5月期)と比較すると、売上高が約2倍に増加する見込みであり、今期も引き続き高成長を維持する構えだ。
修正理由について同社は、2025年5月期の業績予想に対して、主に自動車関連顧客の商流移管による収益拡大や、民生向けEMS事業における堅調な受注動向が業績を押し上げる要因となっていると説明した。特にEMS事業において、企業間の新規契約や取引が増加したことが、売上の急成長を支えているという。
ただし、同社は「今回の業績予想は発表日時点で得られる情報に基づくものであり、今後の市況や取引環境の変化によって実績が予想数値と異なる可能性がある」として、業績変動のリスクについても注意を促している。
サムティ・レジデンシャル投資法人、5,900百万円の資金借入を決定
2024年11月22日、不動産投資信託であるサムティ・レジデンシャル投資法人(本社:東京都千代田区、執行役員:松尾貴之)は、計5,900百万円の資金借入を決定したと発表した。今回の借入れは、同法人が取得を予定している6つの不動産信託受益権の物件購入資金と一部付帯費用に充当するものである。
借入条件として、三井住友銀行より5,900百万円を借入れる予定で、利率は全銀協1ヵ月日本円TIBORに0.300%を加算したものが適用される。契約締結日は11月27日、借入実行日は11月29日が予定されており、返済期日は2025年8月29日とされている。なお、元本は期限一括返済で、担保および保証は設定されていない。
サムティ・レジデンシャル投資法人の資金借入れ概要
項目 | 内容 |
---|---|
借入先 | 株式会社三井住友銀行 |
借入金額 | 5,900百万円 |
利率 | 基準金利(全銀協1ヵ月日本円TIBOR)+0.300% |
契約締結日 | 2024年11月27日(予定) |
借入実行日 | 2024年11月29日 |
元本弁済日 | 2025年8月29日 |
弁済方法 | 期限一括返済 |
利払期日 | 初回2024年12月末日、その後毎月末及び元本弁済日 |
担保・保証 | 無担保・無保証 |
調達する資金の用途および支出予定時期
項目 | 内容 |
---|---|
調達資金の額 | 5,900百万円 |
具体的な使途 | 取得予定資産の取得資金と付帯費用の一部に充当 |
支出予定時期 | 2024年11月29日 |
借入実行後の有利子負債の状況
借入区分 | 実行前(本日時点) | 実行後(2024年11月29日) | 増減 |
---|---|---|---|
短期借入金 | 14,550百万円 | 20,450百万円 | +5,900 |
長期借入金 | 71,500百万円 | 71,500百万円 | - |
借入金合計 | 86,050百万円 | 91,950百万円 | +5,900 |
投資法人債 | 4,600百万円 | 4,600百万円 | - |
有利子負債合計 | 90,650百万円 | 96,550百万円 | +5,900 |
また、同法人は今回の借入後、有利子負債総額が96,550百万円に達する見通しである。これにより、短期借入金は20,450百万円、長期借入金は従来通りの71,500百万円となる見込み。今回の資金調達で、短期借入金は大幅に増加する形となる。
取得予定の物件は「BONコンドミニアム難波恵美須」など6物件で、同法人の物件運用資産の拡充が見込まれている。一方で、既存資産の一部譲渡も計画しており、「S-FORT新大阪ravir」などの資産売却も発表された。この情報については、本日付で同法人が発表した詳細資料を参照している。
なお、同法人は今回の借入に伴うリスクに関して、有価証券報告書の中で投資家向けに注意喚起を行っている。
株式会社ヤガミ、中間業績上振れ受け通期業績と配当予想を上方修正
株式会社ヤガミ(名証:7488)は2025年4月期の第2四半期(2024年4月21日~10月20日)の業績実績が、従来予想を上回ったことを受け、通期業績予想および配当予想の修正を発表した。同社は5月に発表した当初予想を売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益のすべてで上回り、増益を達成している。
今回の業績発表によると、売上高は当初予想の4,720百万円から5,230百万円へと10.8%増加し、営業利益は770百万円の予想に対し944百万円(22.7%増)、経常利益も780百万円から970百万円(24.5%増)となった。さらに、親会社株主に帰属する純利益は122百万円増の622百万円に達し、1株当たり純利益は当初予想の95.32円から118.66円へと引き上げられた。
これを受けて、通期の業績予想も上方修正された。売上高は当初の10,340百万円から10,850百万円に4.9%増加し、営業利益は1,710百万円から1,884百万円(10.2%増)、経常利益も1,730百万円から1,920百万円(11.0%増)にそれぞれ上方修正。親会社株主に帰属する純利益は1,110百万円から1,232百万円(11.0%増)に引き上げられ、1株当たりの当期純利益は234.95円に増額修正された。
第2四半期業績予想と実績の差異
項目 | 前回予想(A) | 実績値(B) | 増減額(B-A) | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
売上高(百万円) | 4,720 | 5,230 | 510 | 10.8 |
営業利益(百万円) | 770 | 944 | 174 | 22.7 |
経常利益(百万円) | 780 | 970 | 190 | 24.5 |
親会社株主に帰属する中間純利益(百万円) | 500 | 622 | 122 | 24.5 |
1株当たり中間純利益(円) | 95.32 | 118.66 | – | – |
通期業績予想の修正
項目 | 前回予想(A) | 修正予想(B) | 増減額(B-A) | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
売上高(百万円) | 10,340 | 10,850 | 510 | 4.9 |
営業利益(百万円) | 1,710 | 1,884 | 174 | 10.2 |
経常利益(百万円) | 1,730 | 1,920 | 190 | 11.0 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 1,110 | 1,232 | 122 | 11.0 |
1株当たり当期純利益(円) | 211.62 | 234.95 | – | – |
剰余金の配当(中間配当)および配当予想の修正
基準日 | 1株当たり配当金(円) | 配当金総額(百万円) | 効力発生日 |
---|---|---|---|
中間配当(2024年10月20日) | 83.00 | 435 | 2024年12月26日 |
前回予想 | 74.00 | – | – |
前期実績(2024年4月期) | 161.00 | 844 | 2024年6月24日 |
配当予想の修正内容
期 | 第1四半期末 | 第2四半期末 | 第3四半期末 | 期末 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
前回予想(5月31日) | – | 74.00 | – | 74.00 | 148.00 |
修正予想 | – | 83.00 | – | 81.00 | 164.00 |
前期実績(2024年4月期) | – | 0.00 | – | 161.00 | 161.00 |
同社の業績は、国内半導体業界での産業用機器需要が低迷する中、学校校舎改修工事の活発化による施設設備機器販売の伸長が寄与した形となった。一方で、下期の業績は当初予想どおりの推移を見込んでおり、第2四半期の増益分を反映する形で通期の予想が修正された。
また、配当予想も上方修正された。今回の取締役会で、基準日を2024年10月20日とする中間配当が決議され、当初の1株当たり74円から83円へと増額。さらに、期末配当予想も当初の74円から81円へ引き上げられ、年間配当金は1株当たり164円に増額される見込みだ。同社は、株主への利益還元を重視し、業績連動の配当方針を掲げる中、財務健全性とのバランスを考慮した上での判断としている。
なお、今回の業績予想と配当修正は現時点の情報に基づいており、今後の状況によっては数値が変更される可能性があるとした。
フジオフードグループ、第14回新株予約権を全数取得し消却へ 成長投資と財務健全化を加速
株式会社フジオフードグループ本社は、2024年11月22日に開催された取締役会において、発行済みの第14回新株予約権を全数取得し消却する方針を決定したと発表した。これは、同社が2023年2月28日に取締役会で決議し発行したもので、長期的な資金調達を目的とし、第三者割当で発行されたものであったが、株価の変動などを考慮し、資金調達手段を見直した結果の判断とされる。
当初、同新株予約権は、株価が行使価額を超える時期があったものの、予定していた資金調達には至らなかった。2024年11月22日時点で、4,400個の新株予約権(440,000株)の行使に留まっており、目標の調達額には遠い状況が続いていた。この背景を受け、同社は、財務基盤の強化と成長投資のための資本をより確実に確保する手段として、新株予約権の消却と新株式発行を決断した。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社フジオフードグループ本社 |
代表者 | 代表取締役 藤尾政弘 |
東証コード番号 | 2752 |
取締役会決議日 | 2024年11月22日 |
対象 | 第14回新株予約権 |
取得および消却理由 | 資金調達手段の見直しと資本増強のため、希薄化リスクの軽減を図る |
新株予約権の割当先 | Long Corridor Alpha Opportunities Master Fund、MAP246 Segregated Portfolio、代表取締役 藤尾政弘氏 |
行使済み新株予約権の数 | 4,400個(440,000株、藤尾政弘氏への割当分含む) |
取得および消却する新株予約権の数 | 18,100個(1,810,000株) |
取得価額 | 総額 14,299,000円(新株予約権1個あたり790円) |
取得日および消却日 | 2024年12月27日(金) |
消却後の新株予約権残数 | 0個(0株) |
今後の影響 | 新株式発行完了後に取得および消却を実施するため、当社連結業績に影響はないと考えられる |
その他関連情報 | 新株式発行および主要株主の異動、行使停止要請(2024年11月14日以降〜2024年12月30日) |
問合せ先 | 取締役 経営企画部長 藤尾英雄 TEL: 06-6360-0304 |
新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、国内の人流回復やインバウンド消費の増加がみられる中、各事業を成長軌道に乗せるための追加投資と、金利上昇によるリスクへの備えが重要視される局面となっている。こうした経済環境の変化を踏まえ、同社は新株式発行を行うことで必要な資金を早期に確保し、財務健全性の向上と成長戦略に向けた資本増強を進める決断をしたものと見られる。
なお、当該新株予約権の消却は、今後の成長投資に備えた希薄化リスクを軽減する目的も含まれている。これにより、発行済株式数が抑制され、株主価値の維持に資する狙いがあるといえる。
同日、同社は「新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ」を公開し、主要株主の異動も発表。さらに、11月14日以降、MAP246 Segregated Portfolioなど主要な株主に対して、新株予約権の行使停止を要請していることも明らかにしている。
今回取得及び消却される新株予約権の数は18,100個(1,810,000株)で、取得総額は14,299,000円(1個あたり790円)。取得及び消却は12月27日を予定しており、完了後の新株予約権残数はゼロとなる。
今後、同社は新株式発行による資金調達が完了することで連結業績への影響はないとしている。
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倒産
<大口倒産>新型コロナ禍の煽り、ティーフィールドが破産 群馬県高崎のジム運営会社、負債総額3億円
群馬県高崎市に拠点を置くスポーツジム運営会社「株式会社ティーフィールド」が、前橋地方裁判所高崎支部から破産手続き開始の決定を受け、11月7日付で事実上の倒産に追い込まれたことがわかった。関係者の調査によると、負債総額は約3億円に達する見通しだ。
同社は2008年の創業以来、全国展開する大手スポーツジムのフランチャイズ運営を担い、高崎市や前橋市などを中心にスポーツジムを展開してきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、会員数の急減に直面。運営収入の低迷が深刻化したことで資金繰りが一層厳しくなったという。
詳細 : 新型コロナ禍の煽り、ティーフィールドが破産 群馬県高崎のジム運営会社、負債総額3億円
<海外>ノースボルト、資金繰り行き詰まり米で破産法申請 再建へ道険しく <負債約9000億円>
スウェーデンの電気自動車(EV)向け電池製造大手「ノースボルト」が、アメリカ・テキサス州連邦破産裁判所へ米国破産法第11章に基づく手続きを申請したことが21日、複数の報道機関の調査で明らかになった。申請は事業継続をしながら再建を目指すもので、同社の負債総額は58億ドル(約9000億円)に達する見通し。
詳細 : ノースボルト、資金繰り行き詰まり米で破産法申請 再建へ道険しく
注目倒産
福井県福井市の「アルカンシェル株式会社」に破産手続廃止決定。
福井県福井市に本社を置く「アルカンシェル株式会社」は、11月12日付で福井地方裁判所より破産手続廃止の決定を受けたことが明らかになった。
埼玉県志木市の「有限会社信和住設」に破産手続廃止決定。11月11日付
埼玉県志木市に本社を置く「有限会社信和住設」は、11月11日付でさいたま地方裁判所より破産手続廃止の決定を受けたことが明らかになった。