ソレイジア・ファーマ株式会社(東証グロース、4597)は27日、2024年12月期の通期業績予想を下方修正すると発表した。売上収益は従来予想を1,090百万円から1,340百万円下回る160百万円に留まり、営業損益や当期利益は従来予想を600百万円下回る1,150百万円の赤字となる見通しだ。
■ 売上低迷の要因は製品出荷の遅れ
同社によると、売上収益の大幅減はSancuso(SP-01)およびエピシル(SP-03)の製造委託先変更に伴う出荷低迷が主因。新施設での製造移行を進めたものの、販売パートナーが旧施設製造品の在庫積み増しを行ったため、新施設製造品の出荷量が伸び悩んだという。
「年央には在庫品の出荷完了を見込んでいたが、実際には販売が振るわなかった」と同社は説明している。現在、販売パートナーの変更や新規契約の設定を模索しているものの、収益改善の見通しは立っていない。
■ 中国導出の遅れが痛手
また、成長の柱と見込んでいた抗がん剤ダルビアス(SP-02)の中国権利導出交渉も難航している。複数の企業と交渉を続けているものの、契約締結には至らず、収益計画からダルビアスの契約一時金を除外することとなった。
「契約書の最終合意に至った大手企業もあったが、親会社グループ間での最終調整がつかなかった」とソレイジアは明かしている。これにより、研究開発費や販売費も削減される見通しだ。
■ 株主への影響は避けられず
今回の下方修正で、ソレイジアは株主や投資家に対し「多大なご心配とご迷惑をおかけすることをお詫び申し上げる」とコメント。引き続きダルビアスの導出交渉を継続し、事業価値向上を目指す方針を示した。
一方で、「契約締結予定時期の公表は交渉に不利に働く可能性があるため、今後は控える」と慎重な姿勢も見せている。
同社の2023年12月期の実績は売上収益617百万円、営業損失1,139百万円であり、今期も厳しい経営環境が続くことが予想される。 #ビジネス #業績
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