「払ってください」が通じない!? 企業と個人で異なる“お金の取り立て”

「すぐ払うよ」と言われて数カ月──。商品やサービスを提供したのに、代金が一向に振り込まれない…そんな苦い経験を持つ事業者は少なくない。債権回収の道のりは平坦ではないが、一歩ずつ踏みしめれば光明が差す。今回は企業間取引(BtoB)と個人間取引(CtoC)での違いも交え、取り立ての流れを紹介する。

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「ちょっと過ぎてますよ?」と催促

まずは礼儀正しく催促だ。BtoBでは「期日を過ぎていますので、ご確認ください」と請求書を再送するのが王道である。CtoCでは「そろそろ払ってくれる?」と軽くジャブを入れる。

企業間では「まぁ経理が忘れてるんだろう」と大らかに構える傾向があるが、期日から1週間を超えると「そろそろ真剣にいくか」と重い腰を上げる。個人間では催促の一報を入れるだけで「ごめん、忘れてた!」とすんなり振り込まれることもあるが、音信不通になるケースも珍しくない。

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内容証明郵便で“ドン”と構える

催促に無反応なら「内容証明郵便」が次の一手だ。「○月○日までにお支払いがない場合は法的措置を取ります」と、穏やかな表情で拳を握るイメージである。

BtoBでは「これは穏やかじゃないぞ」と担当者が動き出す。内容証明が届いた時点で慌てて振り込む企業も少なくない。一方でCtoCの場合、「なにこれ? 本当にそんなことするの?」と相手が驚くが、それでも支払わない者も存在する。

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法廷へ出陣

支払いがないまま時間が過ぎれば、裁判所の出番である。BtoBでは簡易裁判所へ「支払督促」の申し立てが王道だ。裁判所から「払え」と命令が届けば、多くの場合、事態は収束する。

CtoCでは少額訴訟が適している。60万円以下の債権なら、シンプルに「裁判所に行きますよ?」で大体事が片付く。裁判所でのやり取りは簡潔だが、相手が出廷しない場合はほぼ勝訴が確定する。

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差押えで“実力行使”

裁判所命令も無視された場合、「差押え」で実力行使だ。BtoBでは相手の銀行口座や売掛金を押さえるのがセオリーである。差押えによって、経営に支障をきたす可能性が高く、取引先が慌てて支払う事例は多い。

CtoCでは給与や預金を差し押さえるが、相手の勤務先や銀行口座を特定するのが難しいこともある。この段階で泣き寝入りする人もいるが、探偵を雇って情報を得るケースもあるという。

企業と個人で異なる“温度感”

BtoBでは「取引先との関係を壊したくない」との思惑が働き、差押えは“最後のカード”として温存される。関係性を維持したいがゆえに、支払いが遅れても何度もチャンスを与えるケースが多い。一方、CtoCでは「これでダメなら縁がなかった」とアッサリ差押えに踏み切るケースもある。

「泣き寝入りは嫌だ!」と思うのが債権回収の鉄則である。どんなに少額でも正当な報酬は必ず回収する、という強い意志が必要だ。粘り強く一歩ずつ進むことが肝心だ。 #債権回収 #訴訟

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