岡山県倉敷市に事業本部を置く建設関連業のF社(登記上の本店所在地は大阪府大東市)が近く事業を停止し、大阪地方裁判所に破産を申立てることが、同社の内情に詳しい関係者への取材で明らかになった。
調査会社の報告によると、F社は1940年に創業し、大阪市の不動産会社や風俗業者を主要取引先として事業を拡大。最盛期である1971年3月期には約511億円を売り上げるなど、当時の建設業界でも一定の存在感を示していた。しかし、その後は業界内の競争激化や建設業者の乱立などにより、次第に売上が減少し経営難に陥っていった。

画像 : 関係者から入手した会計資料の一部
経営に大きな打撃を与えたのは、1995年1月の阪神・淡路大震災だった。当時の代表取締役社長であったF氏が震災による事故で死亡。これを受けて、F氏の娘が新たに代表取締役社長に就任したものの、業績の回復には至らなかった。2009年8月には、経営の悪化に伴い、主力事業であった不動産事業を売却。社員数もピーク時の半数以下となる90名まで減少し、以降も慢性的な赤字が続いていた。
2018年時点でF社が抱えていた負債は約14億4441万円に上っていた。関係者によると、この時点で既に金融機関への返済が厳しい状況にあり、資金繰りの悪化が続いていたという。加えて、新規受注の減少や資材費の高騰、人手不足といった建設業界全体の問題もF社に追い討ちをかけ、経営は一層逼迫していった。
こうした状況の中で、F社が近く事業を停止し、破産手続きを進める意向であることが明らかになった。しかし、F社広報部は本紙の取材に対し、「弊社は当該事実を一切把握しておらず、事実無根」とコメントし、破産申請の可能性を否定している。
一方で、F社の出資者の一人は取材に対し、「事実であるならば、必要な措置を講じる」と述べ、一定の対応を取る姿勢を示した。また、別の出資者は「私がF社から受け取っている資料の内容と異なる点が多々ある」と指摘し、F社の財務状況に関して不透明な部分がある可能性を示唆した。
現在、F社の関係者の間では情報が錯綜しており、破産申請の詳細については確定的な情報が得られていない。ただし、長年にわたる経営不振や累積債務を考慮すれば、破産申請は時間の問題との見方が強まっている。
F社の今後の動向について、本紙は引き続き取材を進めていく。
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