創業90年以上の歴史を持つ和菓子製造販売業者「壽三色最中(ことぶきさんしょくもなか)本舗」(仙台市)が3月31日付で全事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが明らかとなった。民間の信用調査会社「帝国データバンク」の調査で明らかになった。長年にわたり宮城県内で親しまれてきた名物「三色最中(もなか)」の火が、ここに消えることとなる。
壽三色最中本舗は、昭和6年(1931年)創業の老舗和菓子店。「三色最中」を看板商品に、羊羹やゆべしなどの伝統和菓子を製造販売し、県内百貨店を中心に6店舗を展開してきた。最盛期となる平成4年3月期には年商約7億9500万円を記録するなど、地元土産や贈答品として確固たる地位を築いていた。
しかし、平成以降は全国的な和菓子離れや嗜好の洋菓子への転換といった消費構造の変化に直面。さらに追い打ちをかけるように、新型コロナウイルスの感染拡大により観光客や帰省客向けの土産需要が大幅に落ち込み、業績は下降線をたどった。令和3年3月期の年商は2億1000万円にまで落ち込み、以降も年2億円前後の売上にとどまり、慢性的な赤字体質からの脱却がかなわなかった。
店舗の営業と並行して運営されていたオンラインショップも、3月31日をもって受注を停止。同社は3月27日付で「リニューアルに伴い、4月1日から一時休業する」との告知をホームページ上に掲載していたが、実際には経営継続の見通しが立たず、全面的な事業停止に踏み切ったとみられる。 #宮城県 #仙台市 #倒産
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