ソフトバンクグループ(SBG、東京都港区)は1日、米人工知能(AI)開発大手のOpenAIに対し、最大で400億ドル(約5兆9,800億円)を追加出資することで最終合意に至ったと発表した。これによりSBGは、汎用人工知能(AGI)や人工超知能(ASI)といった次世代AI分野における本格的な基盤整備を加速させる構えだ。
同社によると、出資は二段階で行われる見通し。まず2025年4月に100億ドルを拠出し、続いて年末までに最大300億ドルを投じる計画。後者については、OpenAI側の内部構造改革(経済的分配構造の見直しや新会社の設立)などが条件となっており、その進捗に応じて出資額が確定する。また、最大100億ドル分は外部の機関投資家にシンジケーション(共同出資)する方針で、SBGの実質的な出資負担は最大300億ドルとなる見込みだ。
■ OpenAIとの“戦略的提携”深化へ
OpenAIは、ChatGPTをはじめとする先進的なAIモデルを手掛ける急成長企業で、SBGは2024年9月以降、傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド2を通じてすでに22億ドルを出資済み。今回の追加投資で関係を一段と強化し、AI時代のインフラ構築を主導する。
背景には、OpenAIとともに推進する米国内での大規模AIインフラ構想「Stargateプロジェクト」の存在がある。莫大な演算処理能力を要するAGI開発において、安定した計算基盤と資金力が不可欠との認識から、SBGはAI領域を「情報革命の最前線」と位置づけ、同社との協業強化に踏み切った。
■ 資金調達・リスク管理も並行
初回出資分の100億ドルについては、みずほ銀行など取引金融機関からの借入で賄う予定。SBGは、出資による財務負担が膨らむ中でも、LTV(Loan to Value:調整後純有利子負債÷保有株式価値)や手元資金についての財務方針は「不変」とし、引き続き安定経営を維持する方針を示している。
取得するのは転換持分権であり、OpenAIの新たな法人構造が整い次第、優先株式に変換。その後、上場等を契機に普通株式へ自動転換されるスキームが取られる。取得後の評価額は四半期ごとに時価評価され、連結損益に反映される。
■ 投資のリターンと影響
ソフトバンクグループはこれまで、半導体設計大手のArmやeコマース事業者などへの大型投資で注目されてきたが、近年は生成AIを含む知能基盤の領域に軸足を移しつつある。
孫正義会長兼社長は「人類の進化のためにASI(人工超知能)を実現する」とのビジョンを掲げており、今回の出資はその一環として位置づけられる。OpenAIとの関係深化は、同社の中長期的な資産価値(NAV)やAI分野でのグローバルプレゼンス強化に直結する構想だ。 #事業 #ビジネス #ニュース
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