東証プライム上場の地域密着型流通大手、株式会社サンエー(本社・沖縄県宜野湾市)は7日、2025年2月期の連結決算を発表した。営業収益は前年同期比4.2%増の2,371億円、経常利益は同3.4%増の174億円、親会社株主に帰属する当期純利益は114億円となり、いずれも過去最高水準を更新した。インバウンド回復や個人消費の持ち直しが追い風となり、沖縄経済を下支えする存在感を示した格好だ。
主力の小売部門では、地元産品やプライベートブランド商品などの販売強化策が奏功。加えて、衣料・食料・日用品における「ワンランクアップ商品」の提案が既存店の売上を押し上げた。店舗の効率化や業務改善も着実に進んでおり、売上・利益ともに堅調に推移した。ローソン沖縄との共同運営によるコンビニ事業でも、既存店の堅調な売上に加え、出店・閉店の入れ替えを通じた適正化が図られ、セグメント利益は前期比19.3%増と好成績を収めた。

財務基盤も盤石だ。自己資本比率は78.7%と高水準を維持し、現預金残高は598億円に達した。設備投資や人材開発に積極姿勢を示しつつも、堅実な経営を貫いている。もっとも、今期の営業キャッシュ・フローは149億円と前年より29%減少。税引前利益の増加にもかかわらず、税負担や一時的な支出が重荷となった。
一方で、2026年2月期の業績見通しについては慎重な姿勢を崩していない。営業収益は2,478億円(前期比4.5%増)と増収を見込むものの、当期純利益は110億円(同4.0%減)と減益を予想する。資源高、為替変動、人件費・物流費の上昇など、外部環境の不確実性を警戒していることが背景にある。
今後の経営方針について、サンエーは「あるべき姿」を掲げ、企業理念の徹底、人財力・商品力・仕組み力のさらなる強化に取り組む方針を明示した。県内市場における競争が激化する中、ローソン沖縄との連携による地域食材を使った商品の共同開発など、差別化戦略を軸に顧客満足度の向上を目指す。
配当については、今期の年間配当金を80円とし、前期(110円)より減配となったが、株式分割を考慮した場合の実質的な利回りは依然として高水準を維持。配当性向は43.1%に達し、株主還元への積極姿勢を印象付けた。なお、次期の年間配当予想は100円としている。
小雨

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