長野県上田市で、生まれたばかりの赤ちゃんの遺体を自宅に遺棄したとして、無職の16歳の少女が死体遺棄の疑いで逮捕された。長野県警によると、少女は3月上旬から4月5日までの間、自宅に赤ちゃんの遺体を遺棄した疑いが持たれており、5日夜に関係者からの通報を受けて駆けつけた警察官が、男の子の遺体を確認した。少女は警察の調べに対し容疑を認めているという。
少女は家族と同居していたとされ、警察は赤ちゃんの母親である可能性が高いとみて、出産の経緯や妊娠中の状況についても詳しく調べを進めている。
この事件をめぐっては、報道直後からSNS上で議論が沸騰。とりわけ赤ちゃんの父親とされる人物に関して、「母親だけでなく、父親にも責任があるのではないか」といった意見が相次いだ。女性ユーザーからは「産ませた男性にも道義的責任がある」「一人で出産し、育てられずに遺棄した少女だけを責めるのは酷だ」といった声が目立つ。一方で、男性ユーザーからは「遺棄したのは少女であり、男は逮捕される理由がない」「法的に責任があるのは遺棄行為をした本人だ」との反論も多く、SNS上では意見が鋭く対立している。
刑法では、死体遺棄罪は実際に遺棄行為を行った者を処罰対象とし、共謀や幇助などの形で関与していない限り、他者を処罰することはできない。現時点で父親とされる男性の関与を示す証拠はなく、逮捕されていないのは、法に基づいた当然の対応といえる。
ただし、16歳という若さで出産に至った背景には、当然ながら男性の存在がある。妊娠後、少女が支援を受けられず孤立していたとすれば、道義的な意味での責任は問われる余地がある。まして未成年である少女が、出産後に適切な医療的・心理的サポートを得られなかったとすれば、家族や学校、地域社会を含めた支援体制の不備も見逃せない。
今回の事件は、法的責任の所在のみならず、未成年の妊娠・出産をめぐる社会の課題を浮き彫りにしている。性教育のあり方、妊娠後の相談体制、家庭や地域の支援など、多方面からの検証が求められる。
警察は今後、赤ちゃんの死因や出産の状況、関係者の関与の有無などについて捜査を続ける方針だ。少女を責める前に、このような事態を未然に防ぐことができなかった社会の責任についても、冷静に問い直す必要がある。
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