日本郵便が配達員への飲酒確認などの点呼を適切に行わなかったとして、国土交通省は運送事業の許可を取り消す方針を5日付で会社側に通知した。これを受け、中野国土交通大臣は6日午前の閣議後会見で「輸送の安全確保を揺るがす、極めて遺憾な事態だ」と言及し、日本郵便に全力で対応するよう厳命した。だが、ネット上では「行政指導もなく一発アウト」「中国系企業を誘致する布石ではないか」など、国の対応を疑問視する声が相次いでいる。
今回の処分方針によって、日本郵便のトラックやバンタイプの車両およそ2500台が配送に使えなくなる可能性があるとされ、物流業界への影響は甚大だ。中野大臣は「物流サービスの提供に支障が生じないよう、委託先確保などの対応を求める」としたが、ネット上では「影響が出ない訳がない」と冷ややかな見方も出ている。
一方で、政府が「業界団体との仲介をするなど支援を行う」と表明する姿勢に、疑念の声が渦巻く。SNS上には「次にどの利権を誰に渡すのか」「中華系の企業を入れる準備ではないか」など、国交省の“思いつき”行政を警戒する意見が噴出。外国人労働者の受け入れ拡大や運転免許証の寛容な扱いと比較し、「なぜ日本郵便だけが厳しく断罪されるのか」との声も根強い。
確かに、輸送安全は公共インフラの根幹だ。しかし、日本郵便の配送機能を一斉停止させるに等しい行政処分は、あまりに急で唐突との印象を与える。物流の中核を担う大手事業者の機能停止は、国民生活への影響が避けられない。物流混乱を防ぐと言いつつ、実際には混乱を助長しかねない現状に、政府の真意を測りかねる向きもある。
処分の是非や安全確保の重要性を前提としながらも、政府にはその背後に潜む利権構造への疑念を払拭する説明責任が求められる。現場の疲弊を招かない公正な行政手続きの確立が、今こそ急務だ。
(文=荷品智樹 / あしたの経済新聞)
厚い雲

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