カケハシ、約140億円を調達 シリーズDラウンド M&Aや新技術に積極投資へ

ヘルステック分野で注目を集める株式会社カケハシ(東京都港区)は10日、ゴールドマン・サックスをリード投資家とする第三者割当増資や株式譲渡、融資などを通じ、総額約140億円のシリーズDラウンドを実施したと発表した。今回の資金調達を機に、M&Aや新技術への投資を加速し、事業基盤の拡充と次世代医療の実現に取り組む方針だ。

同社は「日本の医療体験を、しなやかに。」を掲げ、2017年に投入したクラウド型電子薬歴・服薬指導ツール「Musubi」をはじめ、複数の薬局向けサービスを展開。現在は全国1万4,000店超の薬局に導入され、日本の薬局全体の20%以上をカバーしている。医療機関や大学との共同研究、政府の実証調査事業への採択など、社会実装と技術革新の双方で存在感を強めている。

薬機法改正や診療報酬改定により、薬局の“次世代化”が求められるなか、カケハシは薬局と医療産業全体にわたる連携を深める姿勢を鮮明にしている。調達資金は、開発体制の強化や営業・サービス体制の拡充、人材採用に活用。M&Aや新技術への投資を積極的に進めることで、医薬品の流通最適化や供給安定化を図り、患者のQOL(生活の質)向上を見据えたPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の活用などに取り組む。

今回のシリーズDラウンドには、JPインベストメントの子会社と三井住友トラスト・インベストメントが共同運営するJPS グロース・インベストメント投資事業有限責任組合なども参加した。

ゴールドマン・サックスのグロース・エクイティ部門グローバル共同責任者ステファニー・フイ氏は、「カケハシの拡張性あるプラットフォームは、薬局のみならず医薬品業界の広範なニーズに応える存在。高い技術力と強力な経営陣のもとで、持続的成長を期待している」とコメント。DNX Venturesのマネージングパートナー倉林陽氏も、「シード期からカケハシを支援してきたが、医療のサプライチェーン全体を支えるインフラとして新たなステージに立つ」と評価を寄せた。

カケハシは、薬局体験アシスタント「Musubi」のほか複数のプロダクトを手掛け、薬剤師と患者の関係性の強化や服薬アドヒアランスの向上に寄与している。医療現場のデジタル化とともに、多様なプレイヤーとの協働を深化させ、日本の医療システム全体の持続可能性向上を目指す構えだ。

【企業概要】
社名:株式会社カケハシ
設立:2016年3月30日
所在地:東京都港区西新橋二丁目8番6号 住友不動産日比谷ビル5階
代表者:代表取締役社長 中尾豊、代表取締役CEO 中川貴史
URL:https://www.kakehashi.life/

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