岐阜県揖斐郡池田町の観光拠点「池田温泉」の新館に併設されていた宿泊施設「池田温泉旅館 たち川」が、7月30日深夜、突如として営業を停止した。施設を委託運営していた株式会社たち川(本社・岐阜県揖斐郡、資本金1,000万円、従業員数5名、代表取締役・立川智浩)が、町への使用料およそ228万円を滞納したまま姿を消した疑いが浮上している。ポストセブンが報じたところによれば、従業員への給与未払いに加え、部屋風呂で温泉を偽装していたとの証言もあり、地元に波紋を広げている。
ポストセブンの報道によると、たち川は2019年に池田温泉新館の運営を受託。館内2・3階部分を高級旅館へと改装し、宿泊と食事をセットにした料金は1泊4万~5万円と強気の価格設定だった。しかし、燃料費の高騰やコロナ禍による観光需要の低迷などが経営を直撃し、資金繰りが急速に悪化していたとみられる。
町営の日帰り温泉施設は通常どおり営業を続けているものの、新館2・3階に入るレストランと宿泊施設「たち川」は無人となっている。7月30日深夜には、オーナーとみられる人物が荷物を車に積み込む姿が確認され、翌朝には「事業を停止することとなりました」と記した張り紙だけが残された。
ポストセブンによれば、池田町長名で7月25日付の督促状が送付され、5月分までの未納額は約228万8,097円にのぼっていた。支払期限を目前に、旅館側は荷物の搬出を開始し、町に説明することなく施設を閉鎖したとみられる。
さらに、従業員の給与は長期間にわたり未払いのままだったという。「いつ給料が支払われるのか」と尋ねると「国からもらってください」と返されたとの証言もある。加えて、部屋風呂については水道水に重曹を混ぜて白濁させ、「温泉」として提供していたとの告発もあり、町民の間で驚きと怒りが広がっている。
弊誌の調査によると、株式会社たち川の売上高は令和6年4月期で約1億6,500万円、純利益は500万円、自己資本比率は53%だった。前年は売上高約1億8,900万円、純利益1,000万円、自己資本比率52%と、数字の上では堅調に見えていたが、表面化していない債務や経費負担が経営を圧迫していた。
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