松江地裁出雲支部は8日、島根大学発のヘルスケアベンチャー「株式会社みらい無限レシピ」(出雲市塩冶町、代表取締役中村守彦氏)に対し、破産手続きの開始を決定した。破産管財人には佐々木翔平弁護士が選任され、債権者は9月8日までに届け出る必要がある。財産状況報告集会・債権者集会は11月11日に開かれる。
同社は2023年10月に設立され、島根大学地域未来協創本部の研究成果をもとに「減塩」を切り口とした新ビジネスを展開していた。国民の3人に1人が抱えるとされる高血圧症対策として、特許技術(特許第6714238号)を活用し、誰でも簡単に減塩生活を実践できるシステムを提供することを目指した。さらに地元の規格外野菜を取り入れ、SDGs推進や地域貢献にも取り組む計画だった。
設立直後の同年11月には島根大学が「大学発ベンチャー」として称号を付与し、松江キャンパスで記者発表を行うなど、大きな期待を背負っての船出だった。しかし、事業展開からわずか2年足らずでの破綻となり、驚きの声が広がっている。
医療費抑制や健康寿命の延伸という社会的課題に挑戦したはずの大学発ベンチャーが、なぜ短期間で行き詰まったのか。資金調達の難航、収益化の遅れ、販路開拓の壁など、複合的要因が重なった可能性がある。
今後、破産手続きの中で事業資産や知的財産の扱いが焦点となる見通しだ。
曇りがち

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