フジHD、元フジ社長らを提訴 損害賠償50億円請求

フジ・メディア・ホールディングス(HD、本社・東京、東証プライム4676)は28日、子会社のフジテレビジョンが元経営陣に対して損害賠償請求訴訟を起こしたと発表した。対象となるのは、港浩一元社長と大多亮元専務。請求額は50億円に上る。

訴訟は同日、東京地方裁判所に提起された。原告はフジテレビで、会社法の規定に基づき監査役が代表となる。訴訟を主導する柳沢恵子・常勤監査役は「経営責任を問う必要がある」との姿勢を鮮明にした。

問題となったのは2023年6月、フジテレビの番組出演タレントと元従業員の間で発生した人権侵害の疑いがある事案だ。経営陣は報告を受けながらも、事実関係の調査や外部専門家の助言を求めず、コンプライアンス体制に沿った対応を怠ったとされる。会社側はこれを「善管注意義務の懈怠」と認定し、損害の一部を追及する構えを見せた。

訴状によると、フジテレビが被った損害は2025年6月末時点で約453億円に達しており、その一部50億円を連帯して支払うよう求める。なお、遅延損害金についても併せて請求している。今後の進行次第では、請求額の増額も視野に入れる。

フジHDは「視聴者、広告主、株主らステークホルダーに多大な心配をかけた」と陳謝。その上で「人権とコンプライアンスを最重要とする企業風土の確立には、元取締役の責任追及が不可欠」と強調した。

訴訟の行方は、同社の経営姿勢と信頼回復の試金石となりそうだ。フジHDは「公共性を担う企業として改革を着実に実行する」との方針を掲げている。

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