岡山県新見市に本社を構える新見ソーラーカンパニーはこのほど、同社代表取締役社長の佐久本秀行氏が急逝したと公式ホームページ上で明らかにした。突然の訃報により、社内は体制整備の最中であり、当面の間問い合わせ対応が難しい状況だとしている。
佐久本氏は2009年の会社設立以来、「美しい地球を次世代へ」という理念を掲げ、太陽光発電と循環型社会の両立を追求してきた。とりわけ注目を集めたのは、廃棄太陽光パネルを95%以上再資源化できるとされる独自開発の「佐久本式熱分解装置」である。600度を超える過熱水蒸気を用いることで、二酸化炭素を排出せずにガラス片やシリコン、銀などを高純度で抽出する画期的な技術は、全国メディアにも取り上げられた。
同装置は2024年春に完成が報じられ、倉敷市内の建設会社への納入計画も公表されていた。1基3億5千万円規模の設備投資となるにもかかわらず、年間最大9万枚の廃パネル処理を可能にする性能から、2030年代以降の大量廃棄時代に向けた解決策として業界内外から期待を集めていた。
佐久本氏はまた、地域の小学生を対象に作文事業「ドリームチャレンジャー」を立ち上げるなど、CSR活動にも積極的だった。未来を担う子どもたちに夢を与えたいとの思いから、教育支援を通じて地域社会との結び付きを強めてきた。
特許取得も国内外で相次ぎ、2023年には「脱炭素チャレンジカップ」で優秀賞を受賞。さらに「プラチナ大賞」や岡山ガス主催のビジネスプランコンテストでも評価を得るなど、その歩みは地方発の環境イノベーションとして高い評価を受けた。
突然の別れとなったが、佐久本氏の理念と技術はすでに「資源循環の岡山モデル」として定着しつつある。新見ソーラーカンパニーは「体制が整い次第改めて案内する」としており、今後の事業継承と発展が注目される。
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