旅行者が宿泊予約した民宿が廃業していた──そんな“悲劇”を嘆く投稿がSNSで大きな反響を呼んでいる。
投稿したのはX(旧Twitter)ユーザーの「えむえす(@emuesu904)」さん。
9月27日午後8時52分、「遠路はるばる青森まで来たのに予約した宿が潰れてた 終わった」とコメントを添えて写真を投稿したところ、わずか1日で1,400万回以上表示され、「いいね」は20万件を超える勢いで拡散した。
写真には「入居者募集」と書かれた張り紙とともに、壁の前で途方に暮れながらも笑顔を見せる旅行者2人の姿が写されている。投稿には「これは笑うしかない」「現地でこれ知ったら絶望」といった同情や驚きの声が相次いだ。
■ 予約した宿は廃業済み、現地で初めて判明
投稿者によると、青森市内の民宿に対し、3月に9月27~28日の宿泊予約を公式フォーム経由で直接申し込んだという。
予約金は不要で現地決済の予定だったが、8月末に宿が廃業していたことを現地到着後に知った。
メールや電話での連絡はなく、到着時にはすでに別の用途に貸し出されており、宿泊できない状態だったという。
その後、投稿者は別の宿を確保できたと報告し、「宿の予約は必ず宿泊サイト等を経由しよう」と注意喚起した。
■ 専門家「直接予約はリスクも、宿泊サイト経由での予約を」
この件について、旅行業法に詳しい弁護士は次のように指摘する。
「宿泊施設の公式フォームを通じた直接予約は、手数料を省ける一方で、事業者の廃業や経営破綻に関する情報が行き届かないケースがあります。宿泊予約サイトを経由すれば、キャンセル通知や返金対応の保証がつく場合が多く、トラブル回避につながります」
また、観光業界の専門家はこう語る。
「SNS上で宿泊体験をシェアする文化が広がる中、今回のような“現地で初めて知るトラブル”は教訓的です。予約時にはGoogleマップや宿泊予約サイトの最新レビュー、運営者の公式SNSを必ず確認すべきです」
■ ネット上では同情と共感「他人事じゃない」
投稿には多くの旅行者が共感の声を寄せており、「自分も地方旅で同じ経験をした」「予約した宿が突然閉業していたことがある」といった体験談が続々と寄せられている。
一方で、「ユーモアで切り抜けていて偉い」「トラブルなのにポジティブ」と、投稿者の前向きな姿勢を称えるコメントも目立つ。
■ “旅の教訓”としての拡散
SNSの専門家は、今回のバズについてこう分析する。
「個人の失敗談やトラブルをユーモアを交えて投稿する“共感系バズ”の典型例です。1400万回という表示数は、社会的関心を集める“教訓型トレンド”の一つといえます」
今回の騒動は、旅行者にとって「予約確認の重要性」を改めて認識させる出来事となった。
一見ユーモラスな投稿の裏には、地方観光の現場が抱える課題も垣間見える。
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