ソニーフィナンシャルグループ株式会社(8729)は29日、東京証券取引所プライム市場に上場したと発表した。併せて2026年3月期(25年4月~26年3月)の連結業績予想(日本基準)を公表し、経常利益1,220億円(前期比171.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益820億円(同4.1%増)と見込む。期末配当は半期相当分として1株当たり3円50銭を想定し、年換算で総額500億円以上の株主還元を掲げた。
同社は生命保険・損害保険・銀行を中核とする金融グループ。前日8月8日付の大規模な株式分割(普通株式435,100,266株を基準に総数7,149,358,214株へ)を経て、親会社ソニーグループによるパーシャル・スピンオフの効力発生日を10月1日とする計画の下、上場を果たした。配当方針はIFRS移行(27年3月期目標)を見据えた「IFRS修正純利益」の40~50%を原則とし、1株配当の安定的な増加を目指す。
足元の業績は厳しい。26年3月期第1四半期(25年4~6月)は、経常収益7,324億円(前年同期比19.4%減)、経常損失586億円、最終損失435億円となった。ALMの観点による債券売却損の計上や、変額保険関連の市場影響が響いた。一方、通期では財務改善策として米ドル建保険契約の一部出再による責任準備金戻入益(約1,100億円)などを織り込み、大幅増益を見込む。
セグメント別見通しでは、生命保険事業の経常利益を990億円(前期比380.2%増)と大幅増を計画。債券ポート再構築に伴う売却損の拡大や前期の準備金取崩益剥落を見込む一方、出再効果で収益を確保する。損害保険事業は85億円(同18.0%増)。保険料改定効果や自然災害損害率の改善、多種目化で増益を図る。銀行事業は185億円(同2.0%減)を見込み、市場運用収益の伸長と円金利上昇による調達コスト増、新勘定系システム投資の負担を織り込む。
同社は、若年層・富裕層・シニア層へ裾野を広げる「探索」と、主要3社のオーガニック成長を磨く「深化」を両輪とする中期方針を強調。「感動できる人生を、いっしょに。」を掲げ、ライフプランニング強化、ダイレクト型損保の提供価値向上、デジタルバンク基盤の高度化に取り組む。外部環境については、米国の関税政策・移民政策強化に伴うサプライチェーン攪乱、各国の対抗措置拡大、金融市場ボラティリティの高止まり、米国のスタグフレーションリスクなど不確実性の高まりに警戒感を示した。
なお、1株当たり当期純利益は11円47銭(前期11円02銭)、第1四半期はマイナス6円10銭。配当予想は自己株式の取得状況により1株当たり金額が増加する可能性があるとしている。四半期の自己資本比率は2.7%(前期末2.9%)。発行済株式総数は7,149,358,214株(自己株式なし)。
将来見通しに関しては有価証券報告書等のリスク要因を参照するよう注意喚起した上で、「26年3月期のIFRSベース通期予想に変更はない」としている。
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