老舗サンプリング機器メーカー「小川サンプリング」が破産 受注低迷・資金繰り悪化で経営行き詰まり

試料採取機や粉砕機などのサンプリング関連機器を手がけてきた小川サンプリング株式会社(本社:埼玉県さいたま市)は、2025年9月19日付でさいたま地方裁判所より破産手続開始決定を受けたことが明らかとなった。
1976年の設立以来、約半世紀にわたり理化学機器業界の一角を担ってきた老舗企業が、静かに幕を下ろすこととなった。


■ 研究機関や工場に納入実績、だが受注減が経営直撃

同社は、自動試料採取機や自動試料調整機、縮分機、粉砕機、熱量計など、分析・試験分野で不可欠な機器を開発・製造。学校、研究所、セメント工場、鉄鋼メーカーなど、産業界や学術機関を主要取引先として着実に実績を重ねてきた。

だが、近年は設備投資の抑制や研究需要の減少により受注が低迷。加えて、売掛金の回収難航が資金繰りを圧迫し、運転資金の確保が困難な状況に陥った。経営再建の道を模索したものの、抜本的な回復は見込めず、事業継続を断念した。


■ 負債総額は約1億1000万円に

負債は約1億1000万円に上る見通し。
地方中堅メーカーとしては小規模ながら、長年にわたりニッチな分野で技術力を磨き、産業界を支えてきただけに、関係者の間では「惜しまれる結末」との声も聞かれる。


■ サンプリング機器市場の構造変化も背景に

理化学機器業界は、海外メーカーとの競争激化や円安による原材料高騰など、厳しい経営環境が続く。特に、国内の研究開発投資が伸び悩むなかで、サンプリング機器の需要構造そのものが縮小傾向にあり、中小メーカーの淘汰が進んでいる。

市場関係者は「装置の自動化・高性能化が進む一方、納入単価の上昇に見合う需要がない」と指摘。地方製造業の経営体力の脆弱さを浮き彫りにした形だ。


■ 「静かな破綻」に映る構造不況の影

高度経済成長期の技術を礎に産業を支えた中小メーカーが、時代の変化に取り残される——。
今回の破産は、単なる一企業の経営破綻にとどまらず、国内製造業の構造的課題を映し出す象徴的事例ともいえる。

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