東京都西東京市に本社を置くゴム製品メーカー「長野ゴム工業株式会社」が、9月末までに事業を停止し、今後、自己破産を申請する見通しであることが関係者への取材で分かった。負債総額は約14億1000万円にのぼる見込み。
同社は1939年に「長野商会」として創業し、1954年に法人化。自動車および二輪車向けのゴム部品製造を主力として、1960年代には静岡県に2つの工場を新設、さらに1987年には新潟工場を開設するなど、かつては積極的な設備投資を進め、業容を拡大していた。
しかし、近年は国内自動車市場の縮小や主要取引先による生産拠点の海外移管が進み、受注が減少。売上の低迷が続くなか、過去の設備投資に伴う多額の借入金が重くのしかかり、資金繰りは次第に逼迫した。再建の道筋を見いだせないまま、経営継続は困難と判断し、今回の措置に至った。
同社は80年以上にわたり自動車産業の下支え役として技術を磨いてきたが、構造的な市場変化に抗しきれなかった格好だ。関係者によると、今後は裁判所の監督のもとで破産手続きが進められる見通し。
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