【独自取材】Appleアカウント閉鎖トラブル 「iPhone予約しただけ」残高17万9800円が消失 利用者「どうしようもない」の一言に絶句

【iPhoneの予約を行おうとしただけで、Apple IDが突如として閉鎖され、17万9800円もの残高が失われた。】
そんな不可解なトラブルを訴える投稿がX(旧Twitter)上で大きな注目を集めている。投稿者は「.zip爆弾 ぽーと(@sangikousenuser)」さん。「iPhone予約しようとしただけなのに最終的にアカウント閉鎖ってマジでどういうこと」と投稿すると、瞬く間に拡散し、1万件を超える反応が寄せられた。


■「クレジット会社に止められたのが発端」

あしたの経済新聞編集部の取材に対し、ぽーとさんは経緯を淡々と振り返る。
「iPhone予約の際には、Apple公式サイトから通常どおり操作を行っていました。しかし、残高をチャージする段階でクレジットカード会社側の判断により決済が一時的に止められてしまった。その影響で購入に制限がかかり、その後、Apple ID自体が閉鎖されてしまったのです」

原因は不正利用防止システムの誤検知ではないかと考えているという。
「一度クレジットで制限がかかり、そのタイミングで高額な入金があったため、Apple側のシステムがマネーロンダリングや不正行為を疑ったのではないかと思います」

当時の入金履歴や証拠もすべて保管している。Amazonで購入したApple公式ギフトカード(5万円×2)に加え、ファミリーマートで購入したギフトカード8万1000円分のレシートも残している。

しかし、Apple側からは「再審査はできない」との一点張りだった。
「こちらから追加情報や証拠を提出する機会すら与えられませんでした。あちらの独自基準で自動的に判断される仕組みのようで、非常に不透明です」


■「どうしようもありません」

アカウント閉鎖を知ったのは10月10日。自らApple IDの状況を確認した際、表示されたのは「どうしようもありません」という一文だった。
「その文面を見た瞬間、怒りよりも脱力感が先に来ました。6年間使い続けたApple IDを、まるでボタンひとつで消されてしまったような感覚でした」

サポートとのやり取りは主にチャットで行われたが、対応は担当者によってまちまちだったという。
「メールが届くと案内されたのに届かない。説明内容が人によって違う。結局、電話のほうがまだまともな対応でした。内部マニュアルが統一されていないのではと感じました」

閉鎖後もサポートに何度も連絡を重ねたが、返金や救済策は提示されなかった。
「『どうしようもない』『対応できません』の繰り返しです。理由の開示も拒否されました」


■「残高17万9800円」消失 返金も救済もなし

今回使用できなくなった残高は17万9800円。iPhone予約に使うために自らチャージした金額だ。
「App Storeからの購入も、Apple Payの使用もできません。既存のアプリを一度アンインストールし、別のアカウントで再ダウンロードする手間が発生しています。iCloudだけは利用できている状況です」

Apple IDが閉鎖されたことで、他のサービスにも広範な影響が及んでいる。アカウントに紐づいた領収書や購入履歴にはアクセスできず、公式からの閉鎖通知メールすら届いていない。
「アカウントがロックされており、iPhone上では“ログインできません。カスタマーサポートまでお問い合わせください”と表示されるだけです」


■「同様の事例は見たことがない」

SNS上では、「同じように残高が使えなくなった」「理由不明のロックを受けた」といった報告が散見される。
ぽーとさん自身は「ここまでの金額が消えた事例は見たことがない」と語る。
「Appleのサポートは他社より優れていると思っていましたが、今回はその印象が完全に崩れました。今後はApple製品を使うこと自体を検討し直したいと思っています」


■Apple側「返金は一切行わない」

あしたの経済新聞がAppleの日本法人に取材したところ、関係者は次のように回答した。
「どのような場合でどのような事情があろうとも、Appleは規約違反により停止されたアカウントの残高の返金を行いません。これは、詐欺等の犯罪行為に加担したアカウントに残高が返金されることにより、犯罪資金に流用されることを防ぐためです」

Apple本社(米国)にも取材を申し込んでいるが、記事執筆時点では回答は得られていない。


■弁護士「“自動判定”が冤罪を生む構造」

消費者トラブルに詳しい弁護士は、こう指摘する。
「国際企業ではマネーロンダリング対策などの観点から、自動検知システムが非常に厳しく設計されています。しかし一度“疑わしい”と判定されると、利用者に弁明や訂正の機会が与えられないケースがある。これは企業の“安全のための防御”が、無実の消費者を巻き込んでしまう典型例です」

さらにこう続ける。
「利用規約を盾に“返金しない”と断言する姿勢は、消費者契約法の趣旨にもそぐわない。アカウント閉鎖の理由を一切開示しないことは、説明責任の放棄と言わざるを得ません。今後、国民生活センターや監督当局による検証が必要になるでしょう」


■「信頼を失ったブランド」

ぽーとさんは、最後にこう語った。
「6年間、Apple製品を使い続けてきて、これほど不誠実な対応を受けるとは思いませんでした。理由もなく、説明もなく、お金だけが消えた。そんな現実が起きるとは。『どうしようもありません』という言葉が、いまだに頭から離れません」

SNSでは、「Appleのサポートがまるで壁のよう」「自動判定で切られる時代になった」といった声が相次いでいる。
テクノロジーの利便性の裏側で、人間味を失った“AI的対応”が、またひとつの信頼を崩している。

<<次のページに続きます>>

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

アーカイブ