
カンボジアで韓国人を狙った誘拐・詐欺事件が急増している。
韓国外務省の発表によると、2025年1月から8月にかけて計330人の韓国人が行方不明または強制拘束の被害に遭い、うち80人の消息が現在も不明とされる。被害件数は前年同時期の約15倍に達し、過去に例のない規模となっている。
■ 「高収入の海外勤務」から一転、犯罪組織の奴隷労働に
現地メディアや在外韓国人団体によると、被害の多くは「カジノ関連企業」や「IT系リモートワーク」を名乗る求人を通じて発生しているという。
SNSや求人サイトで高額報酬を提示して応募させ、現地に到着するとパスポートを没収され、詐欺コールセンターなどで強制労働を強いられるケースが相次いでいる。
被害者の中には、逃走を試みた際に暴行を受けたり、家族に身代金を要求された事例もあるとされ、韓国政府は緊急の安全勧告を発出。現地警察やASEAN諸国と連携し、救出活動を進めている。
■ 犯行グループは東南アジア全域に拡散
カンボジアだけでなく、ラオス、ミャンマー、フィリピンなどでも同様の事件が増加傾向にある。
これらの犯罪組織は、中国・マレーシアなどを拠点とする国際詐欺ネットワークと繋がっているとみられ、被害者は韓国人に限らず、日本人や台湾人にも及んでいる。
国際刑事警察機構(ICPO)は、こうした人身取引型の詐欺を「新型デジタル奴隷ビジネス」と位置づけ、東南アジア各国に情報共有を呼びかけている。
■ 韓国外務省「旅行・就労前に必ず安全確認を」
韓国外務省は声明で次のように警鐘を鳴らした。
「SNS上の高額求人や“在宅勤務OK”などの文言に騙されないでほしい。
渡航前には必ず大使館・領事館を通じ、雇用主の身元と所在地を確認するよう求める」
また、現地で連絡が取れなくなった家族がいる場合、韓国政府の緊急通報窓口または在カンボジア大使館に即時相談するよう呼びかけている。
■ 背景:経済不安と若年層の就労難が犯罪を後押し
韓国国内では若年層の雇用難や物価高騰が続いており、「海外で稼げる仕事」に惹かれて渡航する若者が増加。
その一方で、現地での就労ビザ制度の不透明さや、闇ブローカーの横行が犯罪の温床となっている。
専門家は、
「貧困や格差が、国境を越えた詐欺・人身売買を助長している」と警鐘を鳴らしている。
■ まとめ
- 韓国人330人がカンボジアで被害、うち80人は行方不明のまま
- SNS求人を利用した誘拐・詐欺が多発、被害は前年の15倍
- 犯罪組織は東南アジア全域に拡散し、国際問題化
- 韓国政府は「安全確認の徹底」を呼びかけ
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