
自民党は、衆議院および参議院の議員定数の一部削減を受け入れる方針を固めた。党内関係者によると、長年課題とされてきた「国会議員の定数見直し」について、与野党協議を進めるための姿勢転換であり、次期通常国会で具体的な法案協議を本格化させる方針だ。
この動きは、国会改革や「政治への信頼回復」を求める国民世論を受けたもので、複数の与党幹部が17日までに方針転換を確認。特に高市早苗政調会長を中心とする執行部が「時代に即した議会制度の見直しは避けられない」として、議員定数の一部削減を容認する姿勢を示した。
背景には、人口減少や地方議員削減との整合性の問題、さらには政治資金問題への批判の高まりがある。近年、国会運営におけるコスト削減や「身を切る改革」を求める声は党内外で根強く、自民党としても「国民の理解を得るための姿勢を見せる必要がある」(党幹部)との判断に至った。
定数削減の具体的な対象や範囲は今後の協議に委ねられるが、現段階では「衆議院の比例代表枠を中心に見直す案」や「定数10~15議席の削減」など複数の試案が取り沙汰されている。党内では賛否が分かれており、特に地方選出議員の一部からは「地方の声が国政に届きにくくなる」と懸念する意見も出ている。
一方で、野党側からは評価の声も上がっている。立憲民主党幹部は「与党がようやく改革のスタートラインに立った」とコメント。国民民主党や日本維新の会も「選挙制度の抜本見直しにつながる第一歩」として歓迎の意向を示した。今後は、議員報酬や歳費、政治資金の透明化といった関連改革も議題に上る見通しだ。
SNS上では、「やっと重い腰を上げた」「国民感覚とずれていた議員数を減らすのは当然」といった賛同意見が目立つ一方、「数を減らすだけでは意味がない」「政治倫理を正すことが先だ」とする冷ややかな声も多く見られる。特に若年層ユーザーからは「定数削減よりも政治資金の透明化を徹底してほしい」といった意見が相次いだ。
また、専門家の間では、「単純な定数削減だけでは政治の質を担保できない」との指摘もある。政治学者の一人は、「議員数を減らすことは一見『改革』に見えるが、議会の多様性や少数意見の吸い上げ機能を損なうリスクもある。削減と同時に、政策立案力を高める体制改革が不可欠だ」と述べている。
高市政調会長は17日、党本部での取材に応じ、「これまで『議員定数削減』という言葉だけが一人歩きしてきた。だが、政治が信頼を取り戻すためには具体的な行動を示す必要がある。自民党として真摯に受け止め、国会改革に取り組む」と強調した。
政府与党は今後、秋の臨時国会で公明党や他野党との意見調整を進め、次期通常国会での制度改正案提出を目指す。国会内では、定数削減のほか、女性議員の増加策や若手議員支援制度の強化なども並行して議論される見通しで、政治の信頼回復に向けた一連の「構造改革」が焦点となる。
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