
タレントの楽しんご氏(46)が、2025年10月19日に新幹線のグリーン車内で隣席の赤ちゃんの泣き声に不快感を示す投稿をX(旧Twitter)に行い、賛否の議論を巻き起こしている。投稿では「静かに過ごしたくてグリーン車を選んだのに、ずっと泣き声が続いていた」と不快感を表明した内容で、短時間のうちに数万件の反応が寄せられた。
この発言に対し、SNS上では「気持ちは理解できる」「グリーン車は静かな環境を求めて追加料金を払う人が多い」といった共感の声がある一方で、「親を責めるのは違う」「赤ちゃんは泣くのが仕事」「子育て世帯が肩身を狭くする社会になってはいけない」とする批判的意見も多数見られた。
共感派の主張:有料席の“静けさへの期待”
共感派の意見では、グリーン車という有料席での「快適さの対価」を重視する声が多い。ビジネス利用者や長距離移動者の中には「静寂を求めて料金を払っている」「集中して作業したい」「休息のために利用している」といった意見が寄せられた。ある利用者は「公共交通である以上、完全な静寂は望めないが、ある程度の環境は期待して当然だ」とコメントしている。
さらに一部では、「子連れ客を特定車両に誘導する仕組みを整えるべきだ」「親側もマナーとして席を選ぶ配慮が必要」といった提案も上がっている。
批判派の意見:子育て世帯への理解を求める声
一方、批判派の意見は「赤ちゃんの泣き声に過剰反応すべきではない」というものが中心だ。特に子育て経験のある利用者や支援者からは「親が泣き声に気づいても、すぐに泣き止ませられるわけではない」「泣き声は自然な反応であり、排除の対象にしてはならない」といった意見が相次いだ。
また、SNS上では「公共交通機関は全員が利用できるものであり、子どもも社会の一員として受け入れるべきだ」「静かな車両を求めるなら専用席の制度を整えるべき」といった、共生の視点からの意見も多く見られた。
鉄道事業者の対応と提案
新幹線を運行するJR各社では、子育て世帯の利用環境改善を目的とした取り組みを進めている。東海道新幹線では2023年から「ファミリー車両」を試験的に運用し、子ども連れの乗客が安心して利用できるよう配慮を図ってきた。今回の議論を受け、SNS上では「グリーン車にも“静寂指定席”のような区分を設けるべき」といった意見が再び注目されている。
また、鉄道評論家の間では「グリーン車=静寂ではなく、“快適”をどう定義するかが問われている」との指摘もある。座席の広さや接客サービスを目的に利用する人も多く、利用者間の認識に差があることが議論の背景にあるとみられる。
社会に広がる「共生」への課題
今回の投稿は、単なる不快感表明にとどまらず、公共交通機関における「共生」のあり方を考えるきっかけともなった。社会学者の間では「静寂を求める個人の権利と、子育て中の親の権利が衝突した典型的な事例」として分析されている。
また、子育て支援団体の代表は「親は公共の場で常に他人の視線にさらされ、心理的負担を抱えている。こうした声が可視化されたことで、社会全体で子育てに理解を広げる必要がある」と述べた。
一方で、ネット上では「楽しんごの言葉の選び方が問題だった」との指摘もある。投稿が感情的に受け取られやすい表現だったため、「本人の意図よりも攻撃的に感じられた」という意見が拡散の一因になったとみられる。
公共交通での「棲み分け」の必要性
専門家の中には、今回の議論を踏まえ「利用目的に応じたゾーニングの導入」を提案する声もある。例えば、飛行機のように「静寂を重視するエリア」と「子連れ向けエリア」を明確に分けることや、車両内でのマナー啓発を強化することが挙げられる。
今後、鉄道各社がどのように利用者の多様なニーズに対応していくかが注目される。公共交通の共存ルールが問われる中で、利用者同士の理解と譲り合いが一層求められている。
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