JR仙石線で液体撒布騒動 「水」と判明も一時運転見合わせ 通勤時間帯に影響

2025年10月21日午後6時40分ごろ、宮城県仙台市宮城野区のJR仙石線・陸前高砂駅に到着した下り列車の車内で、「液体が撒かれた」との通報があり、現場が一時騒然となった。通報を受けて消防と警察が出動し、乗客が避難する騒ぎとなった。

■現場は通勤客で混雑 消防・警察が出動

目撃情報によると、液体は車両の座席付近や床に広範囲にわたり撒かれており、乗客の一部が異臭を感じたため非常通報装置が作動。列車は陸前高砂駅で停車し、全員が避難誘導された。消防隊が到着して液体を採取し、安全確認のため駅構内の一部を封鎖して調査を行った。

JR東日本仙台支社によると、液体は透明で臭いもなく、目視では水や清掃用液体のように見えたという。当初は不審物事案の可能性も考慮され、警戒レベルを上げて対応が取られた。

■調査の結果「水」と判明

その後の消防・警察の合同調査で、撒かれた液体はただの水であり、危険性がないことが確認された。JR東日本は午後8時ごろに安全が確認されたとして、運転を再開。しかし、列車の点検作業や駅での安全確認が長引いた影響で、上下線の一部で運転見合わせと遅延が発生した。

仙石線の一部区間では最大で約1時間の遅れが生じ、帰宅途中の通勤客や学生ら数百人に影響が出た。仙台駅や多賀城駅では一時的に乗り換え客が滞留し、駅係員が代替交通機関の案内に追われた。

■警察が男性から事情聴取

警察は、液体を撒布したとみられる乗客の男性から事情を聴いている。現場に居合わせた複数の乗客の証言によると、男性は小型のペットボトルを持っており、座席付近で中身を撒いた様子が確認されたという。

宮城県警は現時点で事件性は低いとみているが、公共交通機関内での不審行為として、鉄道営業法や軽犯罪法の適用も視野に入れ調査を進めている。警察関係者は「液体の成分が水と確認されているため危険はないが、周囲に不安を与えた行為として経緯を慎重に確認している」と述べた。

■JR東日本「安全最優先の対応」

JR東日本仙台支社は「当初は原因が分からず、安全確保のため運転を見合わせた。結果的に水であったが、乗客の安全を第一に対応した」と説明している。また、今後は同様の通報時に迅速に危険性を判断できるよう、現場職員への対応訓練を強化する方針を示した。

今回の事案は、駅員や消防による即時対応により大きな混乱を避けられたものの、SNS上では「一瞬テロかと思った」「安全のためとはいえ怖かった」といった声も広がった。

■公共交通機関での不審物騒動相次ぐ

近年、列車や駅構内で液体や粉末状の物質が撒かれる事案が全国で相次いでいる。多くは悪質ないたずらや誤認によるものであるが、公共交通の安全性を揺るがす行為として鉄道各社が警戒を強めている。

鉄道警察隊は「車内で不審な行動を見かけた際は、直接注意せず速やかに非常通報装置を押すか駅員に知らせてほしい」と呼びかけている。

仙石線は仙台市中心部と石巻市を結ぶ主要路線で、通勤・通学の時間帯には1時間あたり数千人が利用する。今回の騒動は、日常的な公共交通の安全を再考させる出来事となった。

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