
10月21日、高市早苗首相による新内閣が正式に発足した。新たに42歳の小野田紀美(おのだ・きみ)参議院議員が経済安全保障担当大臣に任命された。小野田氏は自民党所属で、これまで安全保障や移民政策に関する論客として注目を集めてきた人物である。
■元バレーボール日本代表から政界へ
岡山県出身の小野田氏は、元バレーボール日本代表として活躍した経歴を持つ異色の政治家。2016年に参議院議員として初当選し、外交・防衛・法務分野での議論を重ねてきた。特に国家安全保障や領域警備の強化を重視する発言が多く、国会ではサイバー防衛・情報保全の制度整備を推進してきた。
また、党内では「次世代の安全保障政策を担う中堅議員」として評価されており、実務型の姿勢で知られている。今回の人事は、技術・資源・経済基盤の確保を軸とした“経済安全保障”を重点政策に据える高市政権の方針を象徴する形となった。
■「秩序ある共生社会」へ 外国人政策も担当
小野田氏は経済安全保障に加え、新設の「共生社会推進担当」も兼任する。外国人労働者や留学生の受け入れが進む中で、国内の社会秩序と安全保障を両立させる政策調整を担う立場となる。
記者会見で小野田氏は「日本の経済基盤と技術を守り、国民が安心して暮らせる社会をつくる」と述べ、半導体やエネルギー分野の供給網強化、重要インフラ防衛などを重点課題に掲げた。
政府関係者によると、同ポストは今後、内閣官房や外務省、防衛省など複数省庁との連携が求められる横断的役職となる。特に、経済的な安全保障と人権・移民政策を同時に扱う枠組みは新内閣で初の試みとされる。
■高市政権、女性閣僚は3人に
今回発足した高市内閣では、初入閣10名を含む新体制が構築された。高市首相は経済再生と安全保障の強化を「日本再生の二本柱」と位置づけており、経済産業、防衛、内閣府の各分野に若手・中堅を積極登用している。
一方で、閣僚19名のうち女性は3人にとどまり、ジェンダーバランスの課題が指摘されている。首相は「能力本位の人事であり、性別によらず責任を果たせる布陣とした」と述べた。
高市内閣では今後、物価高対策、エネルギー安全保障、そして少子化対応を最優先課題とし、年内に新たな経済対策をまとめる見通し。来年度予算編成でも、技術革新と防衛分野の研究支援を拡充する方針が示されている。
■経済安全保障とは何か
経済安全保障とは、国家の安全保障を経済・技術・供給網の観点から守る政策であり、特定の国や企業への過度な依存を避け、サプライチェーンを国内外で安定化させることを目的としている。
日本では2022年に「経済安全保障推進法」が施行され、機微技術の保護や重要物資の安定供給体制の構築が進められてきた。新内閣ではその運用強化と国際連携が焦点となる見込みだ。
■首相「経済と安全保障は一体」
高市首相は就任会見で、「経済力の低下は安全保障の弱体化につながる。国家と企業、そして国民が一体となって危機を乗り越えねばならない」と強調した。また、経済安全保障を通じて国内産業の強靭化を進めるとともに、外交・防衛政策との連携を深める方針を表明した。
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