北海道警、ノースサファリサッポロ運営会社を家宅捜索 都市計画法違反の疑いで

北海道警は2025年10月23日、札幌市南区の動物園「ノースサファリサッポロ」を運営する株式会社サクセス観光の事務所や前社長宅、園内施設などを、都市計画法違反の疑いで家宅捜索した。

同園は2005年に開園して以来、札幌市の市街化調整区域内に位置し、長年にわたり行政からの正式な許可を得ないまま施設を増設していた疑いがある。北海道警は、違法建築の経緯や関係者の関与状況を詳しく調べている。

■ 無許可の施設建設183棟か

関係者によると、ノースサファリサッポロは開園当初から「体験型動物園」として観光客に人気を集め、動物とのふれあいや餌やり体験などを特徴としていた。だが、運営会社のサクセス観光は、市街化調整区域内において建築許可を得ずに施設を建設していた可能性がある。

札幌市は今年9月末、法令上の問題を理由に施設の使用停止を命じ、園は事実上閉園した。市によると、園内には動物の飼育舎や展示スペースなど計183棟の建築物が存在し、その多くが都市計画法に基づく建築確認を経ていなかったという。

これを受け、北海道警は違法建築物の存在が長期間にわたり放置されてきた経緯を調査しており、運営会社が違反を認識しながら営業を続けていた可能性も視野に入れている。

■ 園内には約300頭の動物が残存

閉園後も、ノースサファリサッポロの敷地内にはライオンやワニ、カピバラなどおよそ300頭の動物が残されている。

札幌市は動物の健康状態や飼育環境を確認した上で、専門機関や他の動物園などに引き取りを依頼しているが、搬出作業は慎重に進められている。

市によると、一部の動物は大型で危険性が高く、また特定動物の飼養許可が必要な種も含まれており、移送には厳重な安全対策が求められている。

今後、飼育放棄や不適切な飼育実態が確認された場合には、動物愛護法違反の適用も検討される見通し。北海道警も、都市計画法に加えて動物愛護管理法の違反の可能性についても捜査対象としている。

■ 行政指導の経緯

札幌市はこれまでに複数回、サクセス観光に対して是正指導を行ってきた。特に2018年以降は、土地利用の違法性や安全管理体制に関する改善勧告を出していたが、抜本的な改善には至らなかったとされる。

同社は市の指摘に対し、「地域活性化に貢献している」として事業継続を主張していたが、建築許可を得ないまま施設を増やしていた点が問題視された。

札幌市は2024年度に正式に使用停止を命じ、閉園に至った。

一方で、市は「これまでの行政指導の限界があった」とし、今後は都市計画法の運用体制そのものを見直す方針を示している。

■ 北海道警による家宅捜索の概要

今回の家宅捜索は、札幌市が提出した告発を受けて実施されたもので、対象はサクセス観光の本社事務所、前社長の自宅、さらに園内施設の一部。

捜査員らは23日午前から午後にかけて関係書類を押収し、施設建設に関わった業者や関係者の契約記録を確認している。

警察関係者によると、これまでに押収された資料の中には建築図面や契約書類、自治体への申請書などが含まれており、無許可建築を組織的に行っていたかどうかを重点的に調べている。

■ ノースサファリサッポロとは

ノースサファリサッポロは、2005年に札幌市南区豊滝に開園した体験型動物園。国内外の珍しい動物との近距離体験を売りにし、「触れる動物園」として観光客や家族連れから人気を集めていた。

一方で、以前から「動物との距離が近すぎる」など安全面での指摘があり、過去には来園者が動物にかまれるなどの事故も発生していた。

同園は2020年代以降、感染症の影響や経営難により一時休業と再開を繰り返していたが、近年はSNSなどでも注目を集める存在となっていた。

■ 今後の見通し

北海道警は今後、押収資料を分析した上で、関係者の事情聴取を進める方針。違法建築がどの時点で行われ、誰の判断で増設が続けられてきたのかを特定することが焦点となる。

札幌市は「市街化調整区域の法令順守は、市民の安全と土地利用の秩序を守る上で不可欠」としており、再発防止に向けて監視体制の強化を検討している。

■ まとめ

  • 捜索日:2025年10月23日
  • 対象:サクセス観光(ノースサファリサッポロ運営会社)本社、前社長宅、園内施設
  • 容疑:都市計画法違反(無許可建築)
  • 施設数:183棟が無許可建築の疑い
  • 残存動物:約300頭
  • 関連法:動物愛護管理法違反の可能性も捜査対象

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