
ノルディックスキー複合の日本代表として長年にわたり第一線で活躍してきた**渡部暁斗選手(37)**が、10月23日に長野市内で記者会見を開き、2025〜2026年シーズンを最後に現役を引退することを正式に発表した。
冬季五輪で3大会連続メダルを獲得し、日本複合界をけん引してきたレジェンドが、自身の競技人生に終止符を打つ決意を明らかにした。
■ 20年超の競技生活に幕 晴れやかな表情で決意語る
渡部選手は記者会見で、「これまで支えてくれたすべての方々に感謝しています。競技を続ける中で多くの経験を得て、今は晴れやかな気持ちでこの決断をしました」と語った。
引退の時期については、2025–2026年シーズンの終了をもって現役を退く予定であり、事実上2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪が最後の大舞台となる見通しだ。
■ 五輪3大会連続メダル、日本複合の顔として活躍
渡部暁斗選手は、長野県白馬村出身。兄・渡部善斗選手とともに幼少期からスキー競技に親しみ、2006年のトリノ五輪で五輪デビューを果たした。
その後、2014年ソチ五輪では個人ノーマルヒルで銀メダル、2018年平昌五輪でも銀メダル、2022年北京五輪では団体で銅メダルを獲得。3大会連続でメダルを手にした唯一の日本人ノルディック複合選手となった。
また、ワールドカップでは個人通算19勝を記録(2025年10月時点)。総合優勝も1度果たしており、日本男子複合史上最多の表彰台数を誇る。競技力だけでなく、フェアプレー精神や後進の育成姿勢でも高く評価されてきた。
■ 「最後まで勝負にこだわる」金メダルへの思い
引退を表明した渡部選手は、会見の中で「このシーズンが自分の集大成。最後まで勝負にこだわりたい」と語り、2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪出場を視野に入れていることを明かした。
これまで五輪で銀・銅メダルを獲得してきたが、唯一手にしていない金メダルへの思いは強く、「目標は最後まで変わらない。金メダルを取るためにベストを尽くしたい」と力強く述べた。
■ 日本複合界の発展に大きく貢献
渡部選手は長年、日本のノルディック複合界を牽引してきた存在である。2010年代以降、若手選手の育成にも力を注ぎ、自身が所属する北野建設スキー部ではチームキャプテンとして後輩たちを支えてきた。
また、国内外での競技活動を通じ、複合競技の魅力を広める活動にも積極的に取り組んできた。特に、体力・技術・メンタルのすべてを要求されるこの競技の奥深さを発信し、日本国内での競技人口拡大にも貢献している。
■ 地元・長野での記者会見「支えてくれた皆さんに恩返しを」
記者会見は、長野市内のホテルで行われ、地元メディアやスキー連盟関係者など多数が出席した。
渡部選手は「この地で競技を始め、この地で節目を迎えられることをうれしく思います」と語り、故郷への感謝の気持ちを強調。これまでのキャリアを振り返りながら、「家族や仲間、指導者、ファンの皆さんの支えがあったからここまで来られた」と述べた。
■ 2026年シーズンまでの展望
今季は、来年2月に予定されている世界選手権および2026年シーズンのワールドカップに参戦予定。体調を整えながら、最後まで国際大会の舞台で戦う方針だ。
引退後については「今はまだ具体的なことは考えていない。競技生活をやり切ってから次の道を見つけたい」と話している。
日本スキー連盟関係者は「渡部選手は日本複合界の象徴的存在。彼の努力と実績が多くの若い選手の目標になった」と述べ、長年の功績をたたえた。
■ キャリアの主な実績
- オリンピック
・2014年ソチ大会:個人ノーマルヒル銀メダル
・2018年平昌大会:個人ノーマルヒル銀メダル
・2022年北京大会:団体銅メダル - ワールドカップ
・個人通算19勝、通算表彰台51回
・2017–2018シーズン 総合優勝 - 世界選手権
・金メダル2個、銀メダル3個、銅メダル2個(計7個)
■ 「最後まで戦う姿を見せたい」
渡部暁斗選手は、「これまで支えてくれた方々への感謝の気持ちを込めて、最後まで戦う姿を見せたい」と決意を新たにした。
引退を控えた今もなお第一線で活躍する姿は、多くのファンや後輩選手たちに勇気を与えている。
2026年のシーズン終了後、20年以上に及ぶ現役生活に幕を下ろすことになるが、渡部選手の功績は日本のノルディック複合史に確実に刻まれるだろう。
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