高市早苗首相、就任後初の所信表明演説で物価高対策を最優先に掲げる 防衛力強化にも言及 国会では野党のヤジで一時騒然

高市早苗首相は10月24日午後、衆議院本会議で就任後初となる所信表明演説を行い、物価高への対応を「最優先課題」と位置づける方針を明確にした。

また、エネルギー価格の高止まりを受け、ガソリン暫定税率の年内廃止や冬季の電気料金支援を盛り込む方針を表明。あわせて、経済再生と防衛力強化を両立させる政策姿勢を打ち出した。

■ 「生活を守る政治」強調 エネルギー支援を年内に

演説の冒頭で高市首相は、「国民の暮らしを守ることが政治の最優先課題である」と述べ、家計負担の軽減策を年内に実施する考えを示した。

具体的には、ガソリン価格の安定化を目的に暫定税率(いわゆるガソリン税上乗せ分)の年内廃止を打ち出し、冬の電気・ガス料金高騰に対しては所得に応じた支援金の支給を行うとした。

首相は「長引く物価上昇の中でも、国民一人ひとりの生活を守り抜く」と強調し、補正予算の早期成立を目指す考えを示した。

■ 防衛力強化と経済再生を両立

高市首相は演説の中盤で、「国際情勢が一層厳しさを増す中で、日本の防衛体制を強化する」と述べ、防衛費の安定的確保と装備の国産化推進を明言した。

また、経済再生と安全保障を一体で進める方針を掲げ、「成長と安全保障は車の両輪である」と強調した。

具体的な施策として、防衛産業の育成支援や自衛隊員の待遇改善に取り組む方針を表明。

さらに、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域防衛の研究開発に重点を置く考えを示した。

■ 所信表明中に野党からヤジ、議場一時騒然

一方、演説の終盤では野党議員からのヤジが相次ぎ、議場が一時騒然となった。

特に「防衛強化と増税をどう両立させるのか」との声が飛び、与党席からは「聞く姿勢を持て」と応酬する場面も見られた。

議長が静粛を求め、数分後に演説は再開された。

与野党の間で、物価高対策の財源や防衛費増額の是非をめぐる対立が今後の国会論戦の焦点となる見通しだ。

■ 経済政策では「再分配」を明示

高市首相はまた、「成長の果実を広く国民へ届ける」と述べ、賃上げ促進と中小企業支援を両立させる「再分配型経済」への転換を表明した。

賃上げ企業への税優遇措置の拡充、地方の中小事業者へのエネルギー補助継続を掲げ、地域経済の底上げを図る方針だ。

さらに、女性・若者・高齢者の就業支援や、教育・医療分野への投資拡大も明言した。

特に女性のキャリア支援については「社会の多様性を尊重し、誰もが挑戦できる環境を整える」と述べ、男女共同参画の推進を訴えた。

■ 外交・防衛では「日米同盟を軸に」

外交政策では、同盟国との連携を柱に据える姿勢を示した。

「日米同盟を基軸としつつ、インド太平洋地域の平和と安定を守る」と強調し、ASEAN諸国との協力強化やウクライナ支援の継続にも言及した。

また、中国・北朝鮮の動向に対しては「毅然とした外交を展開する」と述べ、拉致問題の早期解決にも意欲を示した。

■ 高市政権、就任直後から高い関心

高市首相は10月21日に正式就任して以降、就任3日で初の国会演説に臨んだ。

直前に行われた共同通信の世論調査では、**内閣支持率64.4%**と高水準を記録。国民の期待を背景に、政権運営の初動として経済・防衛の両立を打ち出した形だ。

ただ、野党は「財源の裏付けが不十分」「防衛費増額が国民負担を招く」と批判しており、与野党の論戦が本格化する見通しである。

■ 今後の見通し

政府は今週中にも補正予算案を閣議決定し、11月上旬の国会審議入りを目指す。

高市首相は「国民の安心を取り戻す経済運営を行う」と述べ、所得向上と防衛強化の双方を進める方針を改めて強調した。

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