南シナ海で米海軍ヘリと戦闘機が相次ぎ墜落 乗員5人全員救助 原因調査続く

現地時間2025年10月26日、南シナ海で米海軍所属のMH-60RヘリコプターおよびF/A-18Fスーパーホーネット戦闘機が、それぞれ別の事故により相次いで墜落した。両機は原子力空母「USSニミッツ(CVN-68)」を母艦として作戦行動中だったもので、米海軍は乗員計5人全員が救助され、命に別状はないと発表した。米国防総省および太平洋艦隊は、いずれも通常の訓練・運用活動中に発生した事故と位置づけ、詳しい原因について調査を進めている。

米海軍の説明によると、MH-60Rは哨戒・対潜水艦戦任務を担う多用途ヘリコプターであり、事故発生当時も定期的な航空作業の一環として運用されていたとされる。また、F/A-18Fスーパーホーネットは艦載の主力戦闘攻撃機で、同日別のタイミングで訓練飛行中にトラブルが発生したと報告された。いずれの機体においても詳細な不具合内容は公表されておらず、原因分析のため回収可能な機体部品について調査が行われる予定だという。

墜落地点は南シナ海の公海上とされるが、正確な位置情報は安全保障上の理由から明らかにされていない。救助活動はニミッツ艦載の捜索救難部隊が行い、救助された乗員は艦内医療部門で検査を受け容体は安定していると発表された。二つの事故が同日に発生したことから、米海軍内部では安全対策の確認作業が進められている。

南シナ海は複数国が領有権を主張する海域であり、米軍は「航行の自由作戦」として同地域での艦艇行動や航空作戦を継続している。これに対し、中国側は米軍の活動を繰り返し批判しており、情勢は不安定な状態が続く。米国防総省は今回の事故が地域情勢に影響を与えることはないとしつつも、運用安全性の向上に向けた検証を徹底する方針を示している。

米海軍航空機の事故について、過去にも太平洋地域で発生した例が確認されている。近年では整備負担の増大や老朽化機体の運用継続といった課題が指摘されてきたが、米海軍は最新装備の導入と既存機の改善を進めているとしている。今回墜落した2機が所属するニミッツ級空母は長年運用されてきたが、依然として米海軍の戦力における中核的役割を担う存在である。

なお、現時点で事故に関連する外的要因、第三国の関与、敵対行為の兆候などは伝えられておらず、米海軍はあくまで作戦中の個別事故として認識している。今後の調査結果は適宜公表される見通しだが、詳細な分析には時間を要する可能性がある。

地域では引き続き米中間で軍事面の緊張が続いており、南シナ海への関心が高まる中、安全確保と情報公開の透明性が求められている。今回の事故について専門家は、乗員救助が速やかに行われた点を評価しつつも、偶発的事案が複数同時に発生した事実を重く見ている。米海軍は今後も作戦活動を継続するとしており、関係国は動向を注視している。

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