鈴木農水相、米価格高騰受け市場安定を最優先 備蓄米放出を否定 石破前首相発言を批判

日本のコメ価格が高騰を続けている。2023年の不作や需要増加を背景に、平均価格は前年から49.2%上昇し、5キロ当たり4000円台を維持した状態が続く中、農政の在り方が国民の大きな関心事となっている。こうした状況を受け、鈴木憲和農林水産大臣は市場の安定を最優先する姿勢を明確にした。

鈴木大臣は、石破茂前首相が過去に示した「価格目標」発言を改めて批判し、政府が価格を吊り上げるかのような政策を採るべきではないと強調した。さらに、需給調整の一環として備蓄米を市場に放出する可能性が取り沙汰されている点について、「現時点で備蓄米放出の予定はない」と明確に否定した。食料安保上の備蓄は重要であり、急激な市場介入は混乱を招くと説明している。

その上で、2026年産米の生産調整として、生産量を5%削減する政策方針を新たに表明。過度な供給増が価格崩落を招いてきた過去の反省を踏まえ、需要に見合った生産を基本とする方向へ舵を切る。この施策により、農家の安定的経営を支援しながら、将来的な価格変動リスクを抑制したい考えだ。加えて、低所得者層の消費を支えるため、政府は「お米券(食料支援クーポン)」の導入を検討している。

しかし、コメ価格上昇は家計を直撃しており、国民の不満の声はSNS「X」で急速に拡大している。特に生活必需品価格の上昇が続く中、食費負担はさらに高まっているとの指摘が多く寄せられている。

一方、高市早苗首相とトランプ米大統領との会談後、一部オンライン上で「米輸入を増加させる密約があったのではないか」との臆測が拡散したが、政府関係者は「事実無根」と明確に否定。会談内容はあくまで日米同盟強化およびエネルギー・経済協力の深化に関するものであり、農産物貿易に関する具体的協議は行われていないと説明した。

政府は、食料安保の維持と国民生活の安定を両立する難しい政策対応を迫られている。鈴木大臣は今後も市場動向を注視し、必要に応じて追加対応を検討する姿勢を示している。国内農業を支える生産基盤と消費者負担のバランスをいかに取るかが、政策の焦点となる。

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