
沖縄県糸満市の飲食店で修学旅行生らが集団食中毒を発症した問題で、県は衛生管理上の不備があったとして、当該レストランに対し営業停止の行政処分を下した。O157による食中毒と確認されており、症状を訴えたのは東京都、山形市、川崎市、長野市の高校生や教員など計170人。うち30人が入院している。いずれも命に別状はないが、県と保健所が継続的な健康観察を行っている。
県によると、今回の食中毒は今月14日から18日にかけて修学旅行で沖縄を訪れた複数校の団体が同じレストランで食事をした後に発症が相次いだ。これまでに865人が当該期間に利用しており、発症者の検便からは68人で腸管出血性大腸菌O157が検出された。一方で、提供されたどの食品が原因だったかは判明しておらず、調理工程や保存状態などに問題がなかったか追及が進められている。
県は店舗内の衛生調査で、食材の保管状況や調理器具の使用方法などに改善が必要な項目を確認。二次汚染の防止措置が十分でなかった可能性を指摘しており、施設側に改善指導を実施した上で営業停止処分に踏み切った。営業再開には再検査と衛生指導の徹底が求められる見通し。
O157は少量でも感染力が強く、重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすことがあり、乳幼児や高齢者は特に注意が必要とされる。専門家は「潜伏期間が数日あるため、症状が出ていない利用者にも健康観察が必要」と強調している。
情報を得た学校側は帰宅後の生徒に対して体調管理を徹底し、発熱、腹痛、下痢の症状があった場合には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけている。また教育委員会では、生徒や保護者に対し不安が広がらないよう正確な情報提供を行う方針だ。
修学旅行生が多数利用する店舗で食中毒が発生したことを受け、県内の飲食業界では衛生管理の強化が喫緊の課題として浮上。関係機関は、他店でも類似の事例が起きないよう注意喚起と巡回検査を強めている。
県は「原因究明と再発防止に全力を注ぐ」と説明しており、今後、調査結果がまとまり次第公表される見込み。観光シーズンを迎える沖縄にとって、信頼回復と安全確保が求められている。
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