
全国大会常連校として知られ、宮城県大会を制した仙台育英高校サッカー部で、部員間のいじめが確認され、学校が「重大事態」に該当すると認定したことが分かった。被害を受けたのは3年生の男子部員で、同学年の複数部員から暴言を繰り返し受け、抑うつ症状により現在通院中だという。学校は関係者からの聞き取り調査を進めており、加害側の処分と今後の部活動について協議を続けている。全国大会への出場可否については、調査結果を踏まえて判断される見通しだ。
学校によると、被害生徒は2023年春頃から、部員の一部から「うざい」「デブ」などの暴言を繰り返し浴びせられていたと訴えている。学校は内部相談や通報などを受け、事実関係の確認に乗り出し、関係者へのヒアリングを実施。一定の客観的状況が確認されたとして、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と判断した。重大事態とは、いじめを受けた児童生徒が相当な心理的負担を受けたり、出席が困難となったりするケースを指し、学校として詳細な調査を行い、対応や説明責任が求められる。
被害生徒は心身に影響が生じ、現在は医療機関で診断を受けながら通院を続けているとみられる。学校の説明によれば、当該生徒は精神的苦痛を訴えており、練習や学校生活への参加に支障が出ている状況とされる。学校側は、専門家の助言も踏まえながら支援体制を整え、被害生徒のケアを優先するとしている。
一方、関係部員については引き続き聴取を続け、処分内容の検討が進められている。学校側は、事案の詳細を把握するとともに、指導体制のあり方についても見直しを進めているという。今回の問題について、学校は「調査中」として詳細なコメントは控えているが、教育機関として適切な対応を行う姿勢を示している。
仙台育英高校は全国有数の強豪校として知られ、特にサッカー部は高い競技実績を持つ。しかし今回の事態を受け、部活動全体の指導体制や組織運営について課題が浮き彫りとなったとみられる。報道によれば、学校には過去にも部活動運営や生徒指導に関する指摘があったことから、再発防止策の検討が急務となっている。
いじめ問題は近年、教育現場において重大な社会課題として位置付けられており、特にスポーツ強豪校や部活動内での人間関係に関するトラブルは、注目を集めるケースが多い。競技の厳しさが求められる環境であっても、生徒の尊厳と安全が何より優先されるべきであるとの認識が広がっており、指導者や学校運営側がいかに適切な環境を整えるかが問われている。
今回の件では、全国大会出場がかかった重要な時期での発覚となった。学校側は「全国大会出場については現在の調査状況を踏まえて判断する」としており、今後の動向が注目される。競技成績と生徒の安全確保の両立が求められる中、学校がどのような判断を示すかは、他校にとっても参考例となる可能性がある。
被害生徒の心身の回復と安全が最優先であり、関係者の責任ある対応が求められている。引き続き調査の進展と学校側の対策内容が注目される。
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