「みんなで大家さん」出資者1191人が運営会社を集団提訴 総額114億円の返還求め大阪地裁に訴え

全国の出資者1191人が、不動産投資商品「みんなで大家さん」を運営する都市綜研インベストファンド株式会社(東京都千代田区)を相手取り、約114億円の出資金返還を求めて大阪地方裁判所に集団訴訟を起こしたことが分かった。訴えの理由は、分配金の支払いが長期間滞っているうえ、資金管理や運用が適切に行われていないとするもので、金融商品取引法および民法上の信義則違反が問われている。

「みんなで大家さん」は、全国の不動産を投資対象とし、運営会社が賃料収入などをもとに投資家へ分配する「匿名組合型ファンド」として知られる。最低出資額10万円から始められる手軽さを売りに、地方の高齢者層を中心に人気を集め、2020年代初頭には全国で約2万人超の出資者を抱えていた。しかし2024年末頃から分配金の支払い遅延が相次ぎ、翌2025年には一部物件で支払いが完全に停止。SNS上には「連絡が取れない」「返金がない」といった投稿が増加していた。

訴状によると、出資総額は1500億円を超え、そのうち35商品中33商品で分配遅延が生じているとされる。出資者側は「資金運用の実態が不透明で、契約書に基づく説明義務を果たしていない」と主張し、損害賠償および財務情報の全面開示を求めている。弁護団関係者は「運営会社が系列企業に不動産を高額転売していた疑いもある」としており、資金の流れを追及する構えを見せる。

これに対し、都市綜研インベストファンド側は「訴状の内容を精査中。誠実に対応する」とコメントしているものの、内部関係者の証言では「資金繰りは限界に達しており、年内に自己破産を申請する可能性もある」との見方が広がっている。財務諸表によると、同社は2024年以降、運用損益が3期連続で赤字に転落しており、昨年度末時点での現預金残高は数億円規模にとどまるという。

「みんなで大家さん」は2000年代に登場した日本型不動産クラウドファンディングの草分け的存在であり、投資家からは「少額から始められる安定収益型商品」として高い人気を誇っていた。一方で、金融庁は過去にも「実態としては高リスク投資に近い」として、監督強化を検討していた経緯がある。専門家の中には「収益構造が複雑で、運用会社が系列企業間で資金を循環させていた可能性がある」と指摘する声もある。

今回の集団提訴は、不動産投資型ファンドに対する監視体制の在り方を問うものとなりそうだ。出資者の中には高齢者や年金生活者も多く、「老後資金を失った」「家族に説明できない」といった深刻な声も上がっている。弁護団は「一部の投資家に対しては返金を優先的に行っていた疑いもあり、平等原則に反する可能性がある」として、刑事告訴を視野に入れた動きを進めている。

Tittiby Japan News取材班が確認したところ、同社の主要不動産資産の一部はすでに担保設定済みで、現金化が難しい状況にある。さらに、系列企業の「都市綜研不動産開発株式会社」など複数法人が関係する複雑な資金フローが確認されており、民事再生ではなく破産手続に移行する可能性も排除できない。

投資家1191人による集団提訴は、国内の不動産クラウドファンディング業界にとって前例の少ない規模であり、同様の商品を扱う他社への波及も懸念されている。司法の判断が、投資家保護と企業の信頼性をどう両立させるかが問われる局面となった。

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