
埼玉県飯能市にある聖望学園高等学校の野球部で、元部員が先輩からの飲酒強要を受けたとして、学校法人と当時の部長、生徒らを相手取り、総額330万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に起こしたことが分かった。提訴は2025年10月下旬に行われ、裁判は今月6日に第1回口頭弁論を迎えた。
訴状によると、原告の元部員は2022年に入学後、部活動の打ち上げや練習後の集まりなどで、先輩部員から複数回にわたり飲酒を強要されたと主張。未成年であるにもかかわらず「断れば連帯責任として罰走させる」などの圧力があったといい、精神的苦痛により不登校となった経緯を明らかにした。
また、校内での報告後も「顧問が事実関係を軽視し、適切な対応を怠った」として、学校側の監督責任を問う内容が盛り込まれている。
一方、被告側の学校法人は第1回口頭弁論で、「飲酒行為は偶発的に起きた一部の生徒によるもので、組織的ないじめや強要は確認されていない」と反論。請求の棄却を求め、「現在も再発防止に向けて内部調査を継続している」と述べた。
しかし、関係者の証言やSNS上では、同部での過去の飲酒・喫煙、暴力行為などの指摘が相次いでおり、「長年の上下関係の厳しさと旧態依然とした体質が温床になったのでは」とする声が上がっている。
聖望学園高校野球部は、甲子園出場経験を持つ強豪校として知られるが、その一方で「体育会系の縦社会が強く残る」とも指摘されてきた。
学校関係者によると、今回の訴訟を受け、学園は外部の弁護士を中心とした第三者委員会の設置を検討しているという。教育関係者の間では「高校スポーツにおける指導文化の見直しが改めて求められている」との意見も聞かれる。
今後の裁判では、学校の管理責任の範囲や、いじめ防止対策の実効性が争点となる見通し。教育現場での風紀と指導の在り方が、改めて問われることになりそうだ。
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