大阪「中国朝市」で廃油混じり汚水を路上流出 中国籍男性2人を書類送検 地域イベントの在り方に波紋

大阪府大東市で開催される人気イベント「中国朝市(チャイナモーニングマーケット)」をめぐり、出店スタッフとして働いていた中国籍の30代男性2人が、廃油を含む汚水を歩道に流したとして廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで書類送検された。大阪府警によると、2人は昨年5月、調理に使用した食用油を含む液体を店舗前の排水溝や歩道にそのまま排出したとされる。現場は付近の住宅地に隣接しており、悪臭の苦情が寄せられていた。

事件が表面化したのは、今年7月。近隣住民からの刑事告発を受けて府警が捜査を開始した。現場付近には油のしみが残り、排水溝からは独特の臭気が漂っていたという。捜査関係者によれば、2人はいずれも大阪府内に在住し、現場では屋台形式の飲食ブースで調理補助を担当。容疑をおおむね認め、「油を処理する設備がなかった」「イベント終了後にすぐ帰らなければならなかった」と説明している。

廃油を混じらせた汚水の投棄は、環境保全の観点から重大な違反行為にあたる。大阪府内では飲食イベントや露店での環境管理が近年問題化しており、今回の事件はその実態を改めて浮き彫りにした形だ。府警は現場を運営していたイベント会社についても、法人としての責任を問う方針を示し、同社を廃棄物処理法違反の疑いで書類送検した。

問題の「中国朝市」は、中国の都市部で見られる早朝市場を模したイベントで、点心や中華菓子、調味料などを販売する屋台が並ぶ。異国情緒を感じられる場として、地元住民や観光客に人気を博してきた。だがその一方で、運営体制の不備や無許可営業、外国人労働者の就労管理をめぐるトラブルも報じられており、行政の監視体制の甘さを指摘する声も上がっている。

大東市関係者によると、同イベントは市の後援を受けていない民間主催の催しであり、出店管理や衛生指導は主催者任せとなっていた。「地域活性化には一定の貢献があったが、衛生・安全面での課題が残っていた。今後は主催者側と協議を行い、改善策を求めていく」と担当者は語る。

廃棄物処理法では、油分を含む液体を公共の排水路に流す行為は、たとえ少量であっても「不法投棄」に該当する可能性がある。環境省によれば、都市部のイベントや屋台営業では油脂汚染が河川の水質悪化を招く要因の一つとされ、地方自治体には定期的な監視や指導の強化が求められている。

環境問題に詳しい専門家は「祭りやマーケットなど地域行事の増加に伴い、環境管理の責任が曖昧になっている。国籍や規模を問わず、主催側が明確な衛生ガイドラインを設けるべきだ」と指摘する。

SNS上では、「地域に溶け込む多国籍イベントとして応援していたのに残念」「文化交流の場がマナー違反で台無し」といった批判の声のほか、「運営側の管理不足が最大の問題だ」とする意見も相次いでいる。一方で、「中国朝市は多くの人が楽しみにしているイベント。個人の違反で全体を否定するべきではない」との擁護も見られ、賛否が割れている。

事件を受け、主催会社はホームページ上で「一部出店者による不適切な行為があったことは遺憾。再発防止に向けた衛生管理体制を強化する」とコメントを発表した。現場では翌日以降、廃油を回収する専用タンクや清掃作業が行われたという。

地域の活性化を目的に始まった「朝市」が、いまや社会的議論を呼ぶ事態に発展した。行政は今後、外国人が関わる露店やイベントに対する指導体制を強化する方針を検討している。

異文化交流の名の下に開催される市民イベントにおいても、「法の下の平等」と「地域との共存」の両立が問われている。

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