
侍ジャパンの新たな布陣構想が、宮崎の秋空の下で動き出した。
井端弘和監督は6日、強化合宿の初日を終え、阪神の若き主砲・森下翔太外野手を「中堅でテスト起用する」方針を明らかにした。
通常、阪神では右翼や左翼を守ることが多い森下だが、代表ではより広い守備範囲を担うセンターとしての新任務を託される形となる。
井端監督は練習後の取材で、「限られたメンバーの中で、柔軟に守備シフトを組めるようにしたい」と説明。
代表合宿は11月の韓国戦を想定した調整段階にあり、ポジションの固定にとらわれない戦略的な起用が進められている。
森下は今季、阪神の外野陣で主力として活躍。
打率3割近くを記録し、シーズン中盤以降はチャンスメーカーとしての存在感を高めてきた。
守備でも複数ポジションをこなし、俊敏な動きと正確なスローイングが評価されている。
井端監督はその適応力に注目し、「外野のどこを守らせても安定している。特に中堅はチーム全体を見渡せるポジションで、森下の野球観を試したい」と語った。
今回の起用には、単なる守備強化以上の狙いがある。
韓国戦に向け、スピードと機動力を生かした攻守両面の布陣を構築することが目的であり、
井端監督は「複数ポジションをカバーできる選手が鍵になる」と繰り返している。
チームでは森下に加え、牧秀悟(DeNA)や万波中正(日本ハム)らも外野守備に挑戦中で、
どの組み合わせが“最適解”となるかを見極めるテストが続く。
一方で、森下本人も代表合宿初日から気合十分。
練習後、「中堅は経験が少ないが、任されたからには期待に応えたい。守備範囲を広げて、チームの勝利に貢献できれば」とコメント。
その表情には、自身の成長を実感する自信がにじんでいた。
井端監督は、今年3月の就任以降「世代交代と柔軟な戦術構築」を掲げており、
今回の森下起用はその象徴的な一手となりそうだ。
監督自身も現役時代に複数ポジションを守った経験を持ち、選手の“守備多様性”を重視する指導方針で知られている。
指揮官は「試合中に想定外の展開が起きた時、対応できるかどうかが国際試合の勝敗を分ける」と強調した。
宮崎合宿は今後、紅白戦形式の実戦練習を経て、最終メンバーの調整へと入る。
侍ジャパンは11月下旬、韓国代表との国際親善試合に臨む予定で、
森下がセンターに立つ姿がそのまま本戦でも見られる可能性は高い。
「守備も攻撃も、自分のプレーを出せるようにしたい」
そう語った森下の一言には、若手世代を率いる侍ジャパンの新しい顔としての自覚がにじんでいた。
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