フジ・メディアHDとフジテレビ、安田美智代取締役が不適切経費で辞任 内部調査で約100万円分確認

フジ・メディア・ホールディングス(HD)およびフジテレビジョンは7日、両社の取締役を務める安田美智代氏(55)が、業務に関連しない不適切な経費精算を複数回行っていたとして辞任したと発表した。社内調査によると、問題となった精算は2020年以降の約60件に及び、総額はおよそ100万円に上ったという。両社は「経営に対する信頼を損ねる行為であり、極めて遺憾」とするコメントを発表した。

経緯説明によると、安田氏は役員としての交際費や会食費、物品購入費の一部を業務名目で経理処理していたが、実際には私的な支出を含んでいた疑いがある。内部通報を受けて社内コンプライアンス部門が調査を実施し、会計帳簿および領収書の突合によって事実が発覚した。安田氏は精算の一部に誤りがあったことを認め、全額返金の意向を示した上で辞任を申し出たという。

7日午後に開かれた臨時取締役会で、フジ・メディアHDおよびフジテレビは安田氏の辞任を正式に了承。清水賢治社長は同日の記者会見で「報道機関として自らの説明責任を果たす必要がある。再発防止に向け、内部統制の再構築を進める」と述べ、調査報告書を外部専門家の監修のもとで公表する方針を明らかにした。

清水社長によると、不適切な経費処理の内容は、主に「業務外の飲食」「私的贈答品の購入」「架空名目での交通費申請」など。金額的には大規模ではないが、「経営幹部としてのモラルが問われる行為」として厳しく対応したという。フジ・メディアHDの社内では、経費申請時の確認手続きに甘さがあったことも指摘され、今後はAIを活用した経理システムの導入や監査部門の強化を検討している。

一方で、安田氏は長年フジテレビの編成・広報分野で要職を務め、女性管理職登用の象徴的存在として知られていた人物でもある。社内外からは「組織の意識改革に貢献してきた功績も大きい」との声がある一方、「内部統制のゆるみを見逃していたのでは」との批判も浮上している。ある関係者は「経営層の一部に“慣例的な接待経費”の意識が残っていたことが問題の根底にある」と証言する。

今回の件は、フジ・メディアHDにとってガバナンス体制の再点検を迫る事態だ。同グループでは近年、複数の系列会社で経費の不正処理や契約書管理の不備が発覚しており、社外取締役からも「チェック機能が形骸化している」との指摘があった。清水社長は「一連の問題を重く受け止め、経営層の行動規範を改訂する」とし、外部有識者を交えた倫理委員会の設置を表明した。

また、取締役の報酬制度についても見直しが進められる見通しで、報酬の一部をガバナンス評価に連動させる案が浮上している。今後は経費処理や社内決裁を原則デジタル化し、証跡管理を強化する方針。グループ全体の再発防止策を来年1月までにまとめる方針だ。

安田氏本人は関係者を通じて「自らの軽率な行為によりご迷惑をおかけしたことを深く反省している」とコメント。辞任後はすべての社外役職も退き、企業倫理の改善に向けた講演活動などを検討しているという。

報道機関の経営層による不適切行為は、社会的信頼を直撃する。今回の一件は、経費処理という一見小さな問題であっても、透明性の欠如が企業全体の信用を揺るがすことを改めて浮き彫りにした。

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