
韓国空軍の曲技飛行隊「ブラックイーグルス」が、11月17日から21日までアラブ首長国連邦ドバイで開かれる「ドバイ国際航空宇宙展」への参加を見送ったことが分かった。関係者によると、日本政府が那覇基地での給油支援を拒否したため、韓国国防省が派遣を断念したとされる。
この決定の発端は、ブラックイーグルスが10月に竹島上空を飛行したことに対し、日本政府が「我が国領土に対する領空侵犯にあたる」として正式に抗議したことにある。日本側は、これを受けて同部隊への給油支援を行わない方針を通達したとされ、韓国側は計画していたドバイへの経路確保が困難になったことから参加を断念した。韓国国防省は「訓練は領土問題と無関係であり、政治的意図はない」としているが、日本政府は立場を変えていない。
ドバイ国際航空宇宙展は、中東地域で最大規模の航空・宇宙技術展示会であり、各国の軍用機や防衛装備品が披露される。ブラックイーグルスはアジアでも高い評価を得ており、過去の国際ショーでも注目を集めていた。今回の不参加により、韓国国内では「外交的損失」との声も出ている。
日本防衛省関係者は、韓国空軍による竹島上空の飛行を「領土主権を侵害するもの」とし、「国際行事への支援は適切でない」と説明。一方の韓国国防省は「訓練飛行は事前に計画されたもので、特定の政治的意味はない」と反論している。双方の主張は平行線をたどっており、今回の給油拒否は日韓防衛協力に新たな亀裂をもたらしたとみられている。
影響は軍事分野にとどまらず、文化交流にも及んでいる。日本で11月に予定されていた「自衛隊音楽まつり」に韓国軍音楽隊が参加する計画も中止となった。韓国メディアは「両国の軍事文化交流に冷却化の兆しが出ている」と報じており、実務レベルでの協力関係にも波及している。
日韓両国はここ数年、北東アジアの安全保障環境を踏まえて防衛協力を再構築してきた。昨年には防衛当局者会談や海上共同訓練が再開され、関係改善の兆しが見られたが、今回の事案はその流れに影を落とすものとなった。日本政府は引き続き「竹島は日本固有の領土」との立場を堅持し、韓国側の対応を注視する構えを見せている。
韓国側は、今回の問題が両国の協力体制に悪影響を及ぼすことを懸念しつつも、領有権に関する主張を譲る考えは示していない。両国防衛当局は今後、外交ルートを通じて立場を整理するとみられるが、当面は軍事・文化両面での交流再開に慎重な姿勢が続くとみられている。今回の給油拒否問題は、東アジアの安全保障環境における微妙な均衡を改めて浮き彫りにしたとされる。
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