山本太郎代表「外国人にも生活保護・地方参政権を」発言が波紋 与野党から賛否分かれる

れいわ新選組の山本太郎代表が、外国人に対して生活保護の支給や地方参政権の付与を認めるべきだとの考えを示し、政界内外で議論を呼んでいる。山本氏は今月上旬、都内で開かれた党の集会で「日本に暮らし、地域社会を支える外国人にも、人間としての最低限の生活と政治参加の機会を保障すべきだ」と述べた。発言内容はSNS上で拡散し、支持者からの賛同の声とともに、保守層を中心に批判の意見も相次いでいる。

山本氏はこれまでも外国人の人権保護や難民支援の必要性を訴えており、今回の発言もその延長線上にあるとみられる。発言の中で山本氏は「税金を納め、地域に貢献している人々が政治に参加できないのは不平等」とし、外国人の地方参政権についても前向きな姿勢を示した。ただし、国政レベルの選挙権付与については「議論の段階ではない」と述べ、地方自治体に限った範囲での制度検討を提案した。

外国人への生活保護の是非は、法的にも長年議論されてきた。2014年の最高裁判決では、「生活保護法に基づく保護は日本国民を対象とする」として、永住資格を持つ外国人も法的権利の対象外と判断された。ただし、多くの自治体では人道的観点から独自に生活支援を実施しており、事実上の「行政裁量」による運用が続いている。今回の山本氏の発言は、こうした自治体支援を法制度として明確化するべきだという問題提起とみられる。

一方で、政治的権利の付与に関しては憲法上の論点が複雑だ。地方参政権については、最高裁が1995年に「外国人への付与は憲法上禁止されていない」とする判断を示した一方で、地方自治体が独自に制度化する場合には国政レベルでの議論が必要とされてきた。山本氏の提案は、この法的グレーゾーンを政策として明確化しようとするものだが、与党関係者からは「国民主権の原理に抵触する」との指摘も相次いでいる。

自民党内では「国籍を持たない者への参政権付与は国家の根幹を揺るがす」との懸念が広がっており、公明党の一部議員も「慎重な検討が必要」と距離を置く姿勢を示している。立憲民主党内でも評価が分かれ、「多様な共生社会の理念には賛同するが、法制度として整備するには課題が多い」とする意見が大勢を占める。与党筋からは「選挙対策上の発言ではないか」との見方も出ている。

SNS上では、山本氏の発言を支持する声と反発する声が入り交じっている。「現代の労働や社会を支えるのは外国人労働者だ。生活保障は当然だ」とする擁護意見がある一方で、「日本人の税金を外国人に配るのは不公平」「国民の権利が軽視されている」との批判も多い。ポータルサイトで行われた世論調査では、「外国人への生活保護を認めるべき」との回答は全体の28%にとどまり、「認めるべきでない」が62%を占めた。

政治評論家の間では、今回の発言を「理念先行型」と見る声が多い。ある政治学者は「山本氏は社会的弱者を包摂する立場を明確にしており、発言自体は一貫している。しかし、法的整合性を伴わないまま主張すれば、現実政治との乖離が強調される」と指摘する。別の専門家は「選挙を前に、山本氏が支持層を明確化しようとした可能性がある」と分析している。

現時点で、れいわ新選組として正式な法案提出や政策文書の公表は行われていない。今後、党内議論を経て正式な政策提言に発展するかが注目される。山本氏は発言後のインタビューで「日本に住むすべての人が dignified(尊厳ある)生活を送れる社会を目指す」と述べ、立場を改めて強調した。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

アーカイブ