京王井の頭線で線路火災 富士見ヶ丘〜吉祥寺間の運転見合わせ 工事現場から出火、朝の通勤時間直撃

8日朝、東京都三鷹市内の京王井の頭線沿線で火災が発生し、同線の富士見ヶ丘〜吉祥寺駅間で列車の運転が一時見合わせとなった。出火は線路の橋脚工事現場付近から発生し、火が線路脇の枕木に燃え移ったものとみられる。東京消防庁によると、火災は通報から約1時間後に鎮火したが、線路や枕木の一部に損傷が確認された。人的被害は報告されていない。

火災が発生したのは午前8時ごろ。通勤・通学ラッシュの時間帯と重なり、現場周辺では一時、黒煙が上がる様子が確認された。消防隊がポンプ車など数台を出動させ、沿線住民に避難を呼びかけながら消火活動にあたった。京王電鉄は安全確認と設備点検を行うため、富士見ヶ丘〜吉祥寺間の上下線で運転を見合わせ、振替輸送を実施している。

現場は井の頭線の高架区間で、三鷹台駅から吉祥寺方面にかけての橋脚補修工事が行われていた。警視庁と東京消防庁は、作業中に発生した火花や機材の過熱などが出火原因となった可能性もあるとみて調べている。関係者によれば、当時現場では鉄骨の切断や溶接作業が行われていたという。

京王電鉄は「火災の影響で線路設備の一部に損傷が確認されており、安全確認が完了するまで運転再開の見通しは立っていない」と発表した。復旧作業には数時間を要する可能性があり、昼以降の運転計画も状況次第で変更される見込みだ。

この影響で、朝の吉祥寺駅や明大前駅では多くの乗客が足止めされ、改札口周辺では一時的に長蛇の列ができた。京王電鉄はJR中央線、東京メトロ東西線、小田急線などで振替輸送を実施。駅員が構内で拡声器を使って案内する姿も見られた。SNS上では「出勤できない」「火事のにおいが駅までしている」などの投稿が相次ぎ、情報の錯綜も起きた。

東京消防庁は午前9時過ぎに「延焼の恐れはなく鎮火を確認した」と発表。火災による周辺住民への避難指示やけが人の報告はなかった。現場周辺は住宅地が多く、通学路にも近いため、消防と警察が現場検証を進めている。

近年、鉄道工事に伴う出火事故は全国的にも相次いでいる。2024年には大阪府内の高架工事現場でも火花が原因の火災が発生し、一時的に線路設備の運転を停止した事例があった。今回の火災を受け、鉄道関係者からは「工事と運行が並行する現場では、わずかな火花でも線路設備やケーブルへの延焼リスクがある。安全管理体制の見直しが必要」との声も上がる。

京王電鉄は「原因の究明と再発防止を最優先に進め、利用者にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げる」とコメントした。

通勤時間帯の混乱は午前中いっぱい続く見通しで、復旧のめどは発表されていない。消防と鉄道事業者は、損傷箇所の修復および安全確認が完了次第、順次運転を再開する方針だ。

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