
参政党は10月27日、日本国旗を損壊・冒涜する行為を罰則対象とする刑法改正案を参議院に提出した。提出された法案では、故意に国旗を毀損・焼却・汚損した場合、1年以下の懲役または罰金刑を科す内容が盛り込まれている。
この動きは、高市早苗首相が過去に同様の趣旨の立法を推進していた経緯を踏まえたもので、自民党および日本維新の会は2026年通常国会での成立を目指し、連立協議にこの項目を明記した。改正案には「外国国旗損壊罪」との均衡を取ることを目的とする条文も含まれており、参政党は「日本の象徴たる国旗を守ることは国家の尊厳の根幹に関わる」と強調している。
一方で、SNS上では賛否が割れており、特にお笑い芸人のカンニング竹山氏がX(旧Twitter)上で「法で心の表現を縛るのは違う」と発言したことが波紋を呼んだ。投稿には賛同と批判が殺到し、「国を侮辱する行為を許すべきでない」とする保守層と、「表現の自由を侵害しかねない」と懸念するリベラル層との間で激しい議論が交錯している。
政府関係者によると、首相官邸内でも「愛国心の涵養と表現の自由の線引き」をめぐって意見が分かれており、現時点では閣法としての提出予定は未定。国会法制局も「刑法上の表現行為の制限は慎重に判断する必要がある」との見解を示している。
一方、国旗損壊をめぐる法規制は、ドイツやフランス、韓国など主要国では既に存在しており、政府内では「国際的にも日本の遅れを是正すべき」との声が上がる。特にドイツでは公共の場での国旗冒涜が刑事罰に問われる例もあり、法務省幹部は「国内外の制度比較を踏まえ、議論を進める段階にある」と述べた。
国会内では、立憲民主党が「思想や信条に基づく表現を刑事罰に問うのは憲法21条違反の恐れがある」と慎重姿勢を崩しておらず、成立の行方は流動的だ。高市首相は記者団に対し、「国旗は国家の象徴であり、軽んじる行為は国民感情に反する」と述べ、法整備に前向きな姿勢をにじませた。
今後、参議院法務委員会での審議を経て、年内にも衆議院への再提出が視野に入る。表現の自由と国旗尊重の両立をめぐる議論は、今後の国会論戦の焦点となりそうだ。
雲

コメント