商業用不動産データ分析サービスを手掛ける 株式会社estie(東京・港区) は17日、商工組合中央金庫や三菱UFJ銀行など4金融機関と総額22億円の融資契約を締結したと発表した。タームローンと長期コミットメントラインを組み合わせたデットファイナンスで、シリーズBラウンドでのエクイティ調達と合わせた手元資金は 50億円超 に達したという。
同社は今回確保した資金を、M&Aによる事業領域拡大やAI関連開発への投資に重点配分する方針。不動産デジタルインフラを担う企業として、プロダクト基盤強化と業界横断的な連携を進める構えだ。

■金融機関が“高水準の成長性”を評価
estieは2018年の創業以来、不動産業界向けのデジタルデータ基盤の構築を進めてきた。オフィス、物流、住宅など複数のアセットで全国240万棟超の情報を独自に構造化し、「estie マーケット調査」などのサービスを展開。大手デベロッパーやJ-REITの導入率は 70%超とされる。
シリーズBラウンドでは国内外の投資家から累計30億円超のエクイティを調達。収益性指標も「高水準で推移している」(同社)といい、金融機関側がこうした成長性と事業基盤を評価し、今回の融資に至った。
商工中金の髙橋幸一スタートアップ営業部長は「不動産市場にパラダイムシフトをもたらす存在として高く評価した」とコメント。三菱UFJ銀行の草野訓丈スタートアップ営業部長も「業界を変革しうる強力なチーム」と述べ、中長期的な支援を表明した。
■M&AとAI研究開発を強化
調達した資金は、M&Aを通じた事業ポートフォリオ拡大に充てられる。自社にない技術や販路、人材の取り込みを狙い、ジョイントベンチャーや出資、事業譲受けなど複数の手法を柔軟に用いる。
あわせて、不動産領域のAI研究を行う「不動産AI Lab」を基盤に、AIエージェントや業務効率化ツールの開発を強化する。研究開発を支える技術者の採用も進め、プロダクト体制を一段と拡充する。
同社の上田來CFOは「50億円超の資金余力を背景に、規律あるパートナーシップ戦略を進める」とした上で、「データとAIの力で業界全体の持続的発展に寄与したい」と述べた。
■企業概要
estieは不動産業界向けに「estie マーケット調査」「estie レジリサーチ」「estie 物流リサーチ」などのデータ分析基盤を提供。専門知識を持つスタッフが業務改革支援も行う。
所在地:東京都港区赤坂9-7-2 東京ミッドタウン・イースト4F
代表者:平井瑛氏
設立:2018年12月
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