WBCバンタム級王座決定戦は24日、トヨタアリーナ東京で行われ、同級1位の那須川天心が、同級2位の井上拓真に判定で敗れ、プロ転向後初の黒星を喫した。キックボクシングで無敗を誇り「神童」と称された那須川にとって、世界初挑戦は厳しい結果となった。
那須川はキックからボクシングへ転向して2年7カ月。距離感や体の使い方が異なる競技特性を克服すべく、走り込みで体力を強化し、元世界王者らとのスパーリングを積み重ねて準備を進めてきた。前哨戦ではあえてサウスポー戦を選び「いろいろな経験を積んでおきたい」と語っていた。
持ち味はスピードと多角的なフットワークだが、プロ7戦でKOは2度にとどまり、パンチ力については指摘もあった。それでも意表を突く攻撃を磨き続け、先月の練習では「人生で一番のパンチを打てた」と手応えを口にするなど、上昇機運をつかみかけていた。
しかしこの日は、キャリアで勝る井上のしつこいプレッシャーに押し込まれる展開が続いた。序盤は互いに譲らず、試合は拮抗したが、中盤以降は井上が的確にポイントを重ねた。那須川は最終ラウンドまで反撃の姿勢を崩さなかったものの、有効打には結びつかず、判定は井上に軍配が上がった。
那須川は「常識では測れない戦いをしたい」と挑戦的な姿勢を貫いてきたが、デビュー8戦目でついに土がついた。キックで築いた無敗の看板から一転、戦略の練り直しを迫られる形となった。
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