戸塚駅前鈴木眼科、運営法人が破産申立てへ

神奈川県内で複数の眼科医院を展開してきた「鈴木眼科グループ」が、相次いで事業を停止したことが明らかになった。グループの中核を担う医療法人メビア(横浜市戸塚区戸塚町)は、令和7年12月31日までに事業を停止し、すでに弁護士に事後処理を一任、近く横浜地方裁判所へ破産手続開始の申立てを行うとみられる。

同法人は、JR戸塚駅前の商業施設「トツカーナ」内で「戸塚駅前鈴木眼科」を運営してきたほか、同一理事長のもとで、逗子市の「逗子駅前鈴木眼科医院」、鎌倉市の「鎌倉白内障老眼クリニック小町通り眼科」など、計3医院を展開してきた。これらはいずれも「鈴木眼科グループ」として実質的に一体運営されていた。

関係者によると、医療法人メビアはすでに通常の診療体制を維持することが困難な状況に陥っており、診療の継続を断念。年末までに診療を停止し、弁護士に事後処理を委ねたという。現時点で、グループに属する3医院の公式ホームページはいずれも閲覧できない状態となっており、事業活動が事実上停止している。

医療法人メビアは、平成22年4月に任意団体として創業し、平成26年3月に法人改組。戸塚駅前という高い集客力を見込める立地を背景に、一般外来から白内障手術、老眼治療まで幅広い眼科診療を手掛け、ピーク時には約50人の従業員を抱えていた。

しかし、近年は経営環境が急速に悪化していた。関係者によると、SNSを中心とした広告宣伝費の増加に加え、医師・スタッフの人件費負担が重くのしかかり、収益構造が大きく歪んでいたという。

令和6年3月期決算では、売上高が約8億400万円に達したものの、当期純利益は約8479万円の赤字を計上。続く令和7年3月期には売上高が約9億円へと拡大したが、当期純利益は約1億1181万円の赤字と、損失幅はさらに拡大した。売上規模の拡大とは裏腹に、利益がまったく伴わない構造となっており、関係者は「売上の半分近くが広告費に消えていた」と語った。

地域医療の一端を担ってきた駅前眼科の突然の事業停止に、患者や関係者の間では困惑の声も広がっており、同グループの経営破綻は、広告依存型の医療経営のリスクを露わにした。

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