国際協力機構(JICA)は、南アフリカ共和国の大手民間銀行「FirstRand Bank Limited(FRB)」との間で、サステナブルファイナンス促進事業に関する融資契約を締結した。調印は1月27日付。融資額は最大1億ドル(約150億円)を上限とする。
今回の融資は、2025年11月に開催されたG20南アフリカ・サミットの首脳宣言で掲げられた「金融包摂のためのグローバル・パートナーシップ(GPFI)行動計画」に基づき、中小零細企業(MSMEs)に対する資金調達環境の改善を目的とするもの。特に金融アクセスが十分ではない企業への融資拡大を通じ、女性や若者の社会参画を後押しする狙いがある。
融資は南アフリカ国内有数の金融機関であるFRBを通じて実施される。資金は同国全土の中小零細企業向け融資として転貸され、特に女性や若者が関与する事業への資金供給を促進する。JICAによる融資資金の転貸先はMSMEsに限定され、そのうち少なくとも30%は女性が経営する企業向けに充てられる予定だ。

さらに本事業では、再生可能エネルギー関連事業への融資も対象とすることで、持続可能な社会の実現を目指すサステナブルファイナンスの拡大を図る。女性や若者を含む起業家の金融アクセスを改善することで、雇用創出や経済活動への参加機会の拡大につなげる狙いがある。
また、今回の融資は国際金融機関との協調融資として実施される。ドイツ投資開発公社(DEG)が幹事行を務め、オランダ開発金融公庫(FMO)やフランスの開発金融機関Proparcoが共同で参画する。複数の開発金融機関が連携することで、アフリカ地域における持続可能な金融支援体制の強化を図る。
JICAはこれまで南アフリカで、日本企業の生産現場で培われた改善手法を活用した「品質・生産性向上(カイゼン)プロジェクト」などの技術協力を実施してきた。今回の金融支援と既存の技術協力が相互に補完することで、同国企業の競争力向上や産業振興につながる効果が期待されている。
また、G7各国の開発金融機関が推進する「2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス」イニシアティブにも貢献する見通しだ。FRBは女性の雇用や経営参加を積極的に推進している金融機関とされ、本事業による資金の一部が女性経営企業への融資に充てられることで、女性の経済的エンパワーメントの促進にもつながるとみられる。
JICAは、今回の融資を通じて南アフリカにおける中小企業の金融アクセス改善を図るとともに、女性や若者の雇用機会拡大や持続的な経済成長に寄与することを目指すとしている。
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