4月24日夜の東京発で乗車直後に完売 330円カードがフリマで約5倍に
東京と四国・山陰を結ぶ人気寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の車内シャワーカードをめぐり、利用者の間で困惑が広がっています。4月24日夜の東京発「サンライズ出雲」で、乗車直後にシャワーカードが完売したとの投稿がSNSで拡散しました。1枚330円のカードが、フリマサイトでは1,399円から1,500円前後で出品される例もあり、JR西日本は必要な分だけ購入するよう注意を呼びかけています。
サンライズ瀬戸・出雲は、東京駅から岡山駅まで併結して走り、岡山駅で高松方面へ向かう「サンライズ瀬戸」と、出雲市方面へ向かう「サンライズ出雲」に分かれます。岡山駅は、この列車にとって大きな節目となる駅です。夜に東京を出た列車が、朝の岡山で四国と山陰へ分かれていく場面は、鉄道ファンだけでなく、旅行者にとっても印象に残る時間です。
今回問題となっているのは、車内で販売されるシャワーカードです。サンライズ瀬戸・出雲にはシャワー室があり、カードを購入すれば1回6分間シャワーを利用できます。販売機は3号車または10号車に設置されています。ただし、車内の設備やシャワータンクの湯量には限りがあり、販売枚数は1編成あたりおよそ20枚とされています。
一方で、A寝台の利用者は専用シャワーを無料で使用できます。そのため、シャワーカードを必要とするのは、主にB寝台やノビノビ座席などの利用者です。限られた枚数を多くの乗客で分け合う形になるため、以前から早い段階で売り切れやすいサービスでもありました。
4月24日夜の東京発「サンライズ出雲」では、乗車直後にシャワーカードが完売したとする投稿がSNSで広がりました。投稿では、一部の人物が複数枚を購入した可能性が指摘され、利用できなかった乗客から不満の声が上がりました。
さらに、フリマサイトでは未使用のシャワーカードが1枚1,399円から1,500円前後で出品される例が確認されています。2枚セットで2,500円前後、アメニティ付きで3,000円前後の出品もありました。中には、使用済みカードまで出品されており、本来の利用目的から外れた取引に、鉄道ファンや利用者から疑問の声が出ています。
本来、シャワーカードは、夜行列車で長時間移動する乗客が車内で汗を流すためのものです。仕事帰りにそのまま乗車する人、観光へ向かう人、子ども連れの家族、女性の一人旅。6分間という短い時間でも、寝る前に体を整えられることは、長旅の安心につながります。
だからこそ、使う予定のない人が複数枚を買い、高額で売る行為には、強い落胆の声が上がっています。寝台特急に憧れて乗った人にとって、乗車直後から「もう使えません」と知ることは、旅の楽しみを一つ失うことにもなります。
JR西日本は、車内のシャワーカード販売機横に注意喚起を掲示しています。同社は、次のように呼びかけています。
「サンライズ号をご利用いただく際は、当日車両内の自動販売機で必要な分のみご購入いただき、ご乗車いただいた方全員が快適にご利用できるよう、ご協力をお願いいたします。」
販売枚数を簡単に増やすことはできません。理由は、シャワー室の数やタンクの湯量に物理的な限界があるためです。完売した後に追加でカードを販売すれば、今度は湯量が足りなくなる可能性もあります。つまり、この問題は単に「売る枚数を増やせばよい」という話ではありません。
利用者側にも、できる準備があります。東京駅から乗車する場合は、ホームで早めに並び、乗車後すぐに3号車または10号車の販売機の場所を確認しておくことが大切です。特に販売機に近い4号車・11号車寄りは、シャワーカードを求める乗客が集まりやすい場所として意識しておきたいところです。
また、330円の支払いで手間取らないよう、小銭や利用可能な支払い手段を事前に確認しておくと安心です。必ずシャワーを使いたい人は、万が一購入できなかった場合に備えて、汗拭きシートや洗顔シートを用意しておくと、車内での一夜を少し過ごしやすくできます。
サンライズ瀬戸・出雲は、いまでは全国的にも貴重な定期寝台特急です。個室寝台、ノビノビ座席、ラウンジ、夜明け前の車窓、そして岡山駅での切り離し。どれも、この列車に乗る人が楽しみにしている時間です。その旅の一部であるシャワーまでが高額転売の対象になったことに、残念だと感じる人は少なくありません。
岡山駅は、サンライズの分岐点です。東京から来た列車が、ここで四国と山陰へ分かれます。ゴールデンウィークや夏の観光シーズンには、岡山駅でこの列車を見送る人、ここから旅を続ける人も増えます。今回の問題は、東京発の車内だけの話ではありません。岡山を通る寝台特急を、利用者全体でどう気持ちよく使うかという問題でもあります。
サンライズに乗る予定のある人は、シャワーカードの枚数に限りがあることを知ったうえで、必要な分だけを購入してほしいと思います。1人ひとりの配慮が、同じ列車に乗る誰かの一夜を助けることになります。
憧れの寝台特急で過ごす時間が、買い占めや転売で残念な記憶になってしまうのは、あまりにも寂しいことです。岡山で朝を迎え、瀬戸と出雲に分かれていく列車だからこそ、その旅の時間は、できるだけ多くの人に気持ちよく残ってほしいものです。
強い雨

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