西日本シティ銀行の行員によるSNS投稿で顧客情報が外部から見られる状態になっていた問題で、村上英之頭取が5月12日の決算会見で謝罪した。
問題は、山口県下関市の下関支店で撮影されたとみられる画像や動画が、写真共有アプリ「BeReal.」を通じて投稿され、ネット上で拡散したもの。営業店の執務室内にあったホワイトボード、書類、パソコン画面などが写っていた。
同行は4月30日、顧客7人の氏名が記載されたホワイトボードが写っていたとして謝罪していた。その後の確認で、対象は個人顧客8人の情報と法人19社名に広がり、個人顧客のうち1人については住所を含む情報も外部から見られる状態だった。
村上頭取は会見で、顧客や関係者に謝罪したうえで、今回の問題を一部行員の不注意だけで済ませず、銀行全体の管理体制を見直す考えを示した。
再発防止策として、同行は営業店などへの私用スマートフォンの持ち込みを全面禁止する。これまでも原則禁止としていたが、職場で撮影と投稿が行われたことで、現場での運用をより厳しくする。
BeReal.は、通知が届いたタイミングでその場の様子を撮影し、共有するアプリとして若い世代に広がっている。短時間で撮影する使われ方があるため、職場で使えば、机上の書類、画面、ホワイトボードがそのまま写る危険がある。
金融機関の営業店では、氏名、住所、取引先名、融資関連資料、内部メモなどが日常的に扱われる。背景に一部が写るだけでも、顧客や取引内容の推測につながる可能性がある。
本誌は発覚直後から、SNS上の拡散状況と銀行側の対応を確認してきた。当初は「顧客7人の氏名」が焦点だったが、影響範囲の拡大と頭取の謝罪により、問題は行員個人の投稿から、営業店内のスマホ管理へと移った。
銀行だけの問題ではない。病院では患者情報、美容サロンでは予約画面、学校では児童生徒情報、市役所では住民情報が、同じようにスマホのカメラに写る。友人限定の投稿でも、転載されれば外部に広がる。
西日本シティ銀行は、対象となる顧客への説明と再発防止を進めるとしている。今後問われるのは、研修や注意喚起ではなく、現場で本当に私用スマホを使わせない仕組みを作れるかだ。
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