静岡・掛川市で5歳女児遺体を冷凍庫に隠した疑い 母親を死体遺棄容疑で逮捕

静岡県掛川市で、5歳の長女の遺体を自宅の冷凍庫に隠していたとして、母親の川口陽子容疑者(37)が死体遺棄の疑いで逮捕された。警察によると、川口容疑者は娘の死亡後、行方不明を装って通報し、約1か月間にわたり遺体を自宅の冷凍庫に保管していたとみられている。事件は9月中旬に発覚し、司法解剖の結果、死因は窒息死と判明した。警察は殺人の可能性も視野に入れ、慎重に捜査を進めている。

■「娘が行方不明になった」と通報

静岡県警の発表によると、事件が発覚したのは2025年9月16日。川口容疑者が「娘がいなくなった」と警察に通報したことがきっかけだった。警察官が自宅を訪れた際、冷凍庫内から女児の遺体が見つかり、死亡推定時期は通報の数日前だったとされる。

発見当時、遺体には明確な外傷はなかったが、司法解剖の結果、首を圧迫された痕が確認された。警察は女児が窒息死した可能性が高いとみて、経緯の特定を急いでいる。

■母親は単独で育児 家庭内トラブルの有無を調査

近隣住民の話によると、川口容疑者は夫と別居しており、女児と2人暮らしだったという。近所づきあいは少なく、最近は姿を見かける機会が減っていたと話す住民もいる。

警察は、母親による育児疲れや経済的困窮など、家庭環境の影響が事件に関係していないかを慎重に調べている。女児の通っていた保育施設や市の子育て支援課にも聞き取りを行い、過去に児童相談所への通報や家庭訪問があったかどうかも確認中だ。

■容疑者は黙秘 殺人容疑も視野に

川口容疑者はこれまでの取り調べに対し、「話したくない」と黙秘しており、動機や経緯は明らかになっていない。警察は、遺体を冷凍庫に入れた理由や、死亡当日の状況を慎重に分析している。

捜査関係者によると、室内には事件当時の痕跡が一部残されており、司法解剖や家宅捜索の結果から、より重い罪への適用も検討されている。

警察関係者は「母親がなぜ遺体を隠したのか、また事件がどのように起きたのか、背景を慎重に確認している」とコメントした。

■地域に広がる衝撃と悲しみ

事件が発覚した掛川市の住宅街では、住民に大きな衝撃が広がっている。近隣の女性(40代)は「まさかこんな近くでこんなことが起きるとは思わなかった。あの子はよく挨拶してくれて、明るい印象だった」と話す。

地元の保護者の間では、「子どもの安全を守るための支援体制をもっと強化してほしい」との声も上がっている。市の担当者は「非常に痛ましい事件。関係機関と連携して再発防止に努めたい」とコメントしている。

■子どもを巡る家庭内事件の増加

近年、全国的に親による子どもへの虐待や遺棄事件が相次いでいる。厚生労働省のまとめによると、2024年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談件数は過去最多の23万件を超えた。

背景には、孤立した子育て環境や経済的な困窮、家庭内ストレスの増加が指摘されている。専門家は「子どもが危険にさらされる前に、行政や地域が早期に支援へ介入できる仕組みが必要」と警鐘を鳴らしている。

■今後の捜査の行方

警察は今後、遺体の冷凍保管の経緯や死亡当日の行動履歴を解析し、川口容疑者の責任能力や精神状態も慎重に調べる方針。関係者からの聴取や携帯電話の通信履歴の解析も進められており、事件の全容解明には時間がかかる見通しだ。

一方、掛川市は事件を受けて緊急の対策会議を開き、子育て家庭への相談窓口を拡充。地域全体で孤立防止を支援する体制づくりを強化している。

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