
石破茂前首相は2025年10月27日、退任後初めて鳥取県を訪れ、地元で記者会見を行った。会見では、就任直後に行われた衆議院解散・総選挙について「非常に痛恨であり、後悔している」と述べ、自身の政治判断とその結果を振り返った。石破氏は、予算委員会での論戦の機会を十分に得られないまま解散に踏み切った点について「国民に訴えるべき内容を示しきれなかった」と反省の弁を述べた。
この解散は与党内からの強い要請が背景にあったと説明。国会運営をめぐり早期の信を問う判断が求められた状況を明かしつつ、「私としてはやり残した課題が多く、断腸の思いだった」と語った。前首相としての発言は、政権交代後の政治情勢を踏まえたものとみられるが、石破氏は国政への姿勢を崩さず「責任を伴う政治の在り方を引き続き考えていく」と述べ、今後も政界に留まる意向を示した。
会見では、退任後の活動についても説明。地元支援者への感謝を伝えつつ、「鳥取に戻り国政に関わる立場を大事にしていきたい」と語った。また、地域課題への関与や政策立案の支援などを行う考えを示し、「地元の声を中央に届ける役割を果たす」と強調した。
石破氏は、現政権への対抗姿勢について明言を避けたものの、野党との対話の必要性に触れ、「政策ごとに協力可能な相手とは建設的に議論すべき」と述べた。この発言は、対立を前提としない国会運営を志向する姿勢をうかがわせるものとなった。一方で、現政権批判について問われた場面では「個々の政策について客観的に見極める」と述べ、慎重な態度を貫いた。
今後の政権復帰の可能性に関しては、「考えていないわけではない」と言及する一方で、「まずは国民の信頼を再び得る努力が必要」と述べ、即座に再登板を目指す考えは示さなかった。政治活動の方針については「熟度を高める時間が必要」と自らを律する姿勢を見せた。
会見ではさらに、早期解散がもたらした衆院選結果への責任についても言及。「判断によって仲間に負担をかけたことは重く受け止めている」と陳謝した。所属議員への支援については「力を尽くしたい」と語り、引き続き党内での役割を担う考えを示している。
鳥取県内では、石破氏の退任後初の地元公の場ということもあり、多くの支援者や地元メディアが注目。石破氏は「地域の皆さまのおかげで今日まで政治家でいられた」と述べ、支持への感謝を繰り返した。
なお、石破氏の動向については政界内外で関心が高い状況が続いている。今後の国会活動や政策提言の内容が注視される見通しであり、政治的存在感の維持に向けた取り組みが続くとみられる。石破氏は会見の締めくくりで「丁寧な政治を取り戻す」と改めて誓い、退任後の新たな一歩を地元から踏み出した。
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